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2005 年度 実績報告書

量子輸送現象に対するランダム行列理論の応用

研究課題

研究課題/領域番号 16540291
研究機関広島大学

研究代表者

高根 美武  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (40254388)

キーワード量子輸送現象 / 量子細線 / コンダクタンス / ランダム行列理論 / シンプレクティック・クラス / アンダーソン局在 / 完全透過チャネル / 超行列理論
研究概要

今年度はsymplecticクラスに属する乱れた量子細線の振る舞いを明らかにするために,以下の通り研究を進めた.特に,伝導チャネル数が奇数の場合と偶数の場合におけるコンダクタンスの振る舞いの差異に注目した.
(1)symplecticクラスに対するランダム行列理論
奇数チャネルと偶数チャネルの差異を詳細に比較するためには,透過固有値の振る舞いを記述するDMPK方程式が必要となる.我々は転送行列に対する独自のパラメータ化を用いて,奇数と偶数チャネルの両者に対して統一的な枠組みのもとでDMPK方程式を導くことに成功した.また,この方程式に基づいて,金属領域と局在領域の両極限においてコンダクタンスの振る舞いに対する偶奇性の影響を検討した.その結果,金属領域においては顕著な差異が生じないが,局在領域においてはコンダクタンスの減少が偶奇性に大きく依存することを確認した.何れの領域においても,(奇数チャネルの場合にのみ存在する)完全透過固有値とそれが他の固有値に与える固有値反発が,両者の振る舞いに重大な差異を生み出していることが明らかになった.
(2)格子モデルを用いた数値シミュレーション
コンダクタンスに対する偶奇性の影響を数値シミュレーションによって明らかにする試みに関しては,すでに短い論文を発表しているが,さらに精度の高い比較を実現するためにアルゴリズムとモデルの改良を行った.来年度は大規模数値計算を実行し,ランダム行列理論との詳細な比較を行う.
(3)カーボン・ナノチューブにおける弱局在
乱れたカーボンナノチューブにおける電気伝導度に対する弱局在補正を解析的に検討した.特に,チューブに対して垂直に印加された磁場の影響を定量的に扱うことの出来る理論を提案した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Conductance and its variance of disordered wires with symplectic symmetry in the metallic regime2005

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Sakai
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 74・5

      ページ: 1521-1524

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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