研究課題
積層強誘電体の分域構造、異物質間、異相間の界面の構造を知るため、それぞれ半無限の2つの異なる物質(たとえば、強誘電体1と強誘電体2、強誘電体と常誘電体)が接合面で、双1次の相互作用することを仮定して、連続体のランダウ型自由エネルギーを離散化した1次元モデルをつくり、解析した。より現実的な1次相転移する強誘電体について、界面近傍での分極分布、界面エネルギーを求めた。まず、各物質での分極の空間分布(分極プロファイル)を表わす厳密解析解を得た。次に界面での相互作用係数をλとすると、λが小さいときは、独立な物質を2つ並置したにすぎず、界面における分極のギャップが大きく、界面エネルギーが小さいこと、λが大きい時は界面分極のギャップが小さく、誘電的にソフトな物質の界面分極がハードな物質の分極の方に引きずられること、界面エネルギーは特定のλのとき最大になることなどを示した。また遷移層の厚さは、両物質それぞれの特性長によってきまることを確認した。このモデルを使えば、Tilley-Zeksの薄膜モデルにおいて、a prioriに仮定されている外挿長が、エネルギー的に自然に導かれる。すなわち、相手の物質の界面分極が自分の分極より小さければ、相互作用によって小さい方に引きずられるので正の外挿長が得られ、大きければ大きい方に引きずられて負の外挿長が得られる。つまり、外挿長は物質固有の物理量ではなく、組み合わせの相手次第で正にも負にもなりうることを示した。また、このようなヘテロ積層強誘電体の履歴曲線について詳細に調べた。両物質とも半無限系であるので、示量変数(分極)に対する界面の影響は少ないが、示強変数である電場、この場合は抗電場が界面を通しての両物質の相互作用に敏感に依存し、interface-aided polarization reversalが起り、単一物質では見られないような新しい形の履歴曲線が得られることが示された。
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Material Science and Engineering B120
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