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2004 年度 実績報告書

ソフト凝集物質における長距離電子相関と構造に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16540301
研究機関岩手大学

研究代表者

長谷川 正之  岩手大学, 工学部, 教授 (00052845)

研究分担者 西舘 数芽  岩手大学, 工学研究科, 助教授 (90250638)
家富 洋  新潟大学, 理学部, 教授 (20168090)
キーワードグラファイト / カーボンナノチューブ / フラーレン / 密度汎関数理論 / 長距離電子相関 / ファンデルワールス相互作用 / 層間凝集エネルギー / ナノ構造体
研究概要

グラファイトはフラーレンやカーボンナノチューブ等のナノ構造体の基礎となる物質であり、その層間凝集エネルギーの正確な評価はナノ構造物質の構造と安定性を理解するための重要な前提であるが、これまで確定的な結果は得られていなかった。本研究では、密度汎関数理論(DFT)の標準近似である局所密度近似(LDA)と一般化された密度勾配近似(GGA)に基づく高精度の第一原理計算を行い、それを経験的なファンデルワールス相互作用で補正するという半経験的な手法を用いてグラファイトの層間凝集エネルギー(U)を評価した。その結果(U=55〜60meV/atom)は、これまでに行われたDFT(LDA)計算の結果(U=20〜30meV/atom)の約2倍であり、通常のDFT計算の限界と弱いファンデルワールス相互作用を考慮する重要性が明らかとなった。また、最近の実験データの整理と解析も行い、理論計算と実験結果(U=50〜60meV/atom)との整合性も確かめた。
次に、このようにして得られたグラファイトの層間相互作用を用いて単層カーボンナノチューブ(SWNT)の変形に対する安定性を調べた。弾性体理論によれば、筒状の弾性シートの歪みエネルギーは断面が円状(円筒)のとき最小となる。しかし、向かい合う面間に働く相互作用(主として、ファンデルワールス相互作用)考慮すると、通常の弾性体理論は破綻する。本研究では、このような相互作用を考慮したSWNTのエネルギー論を展開して、動径方向の変形に対するSWNTの安定性を評価するための定式化を試みた。この定式化に基づいて予備的な計算を行った結果、直径が約7nm以上の円筒状のSWNTは断面が"ピーナッツ状"につぶれたSWNTに比べて相対的に不安定となることが明らかになった。実際にSWNTが不安定化するときの変形の経路等に関する詳細な計算は継続中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Semiempirical approach to the energetics of interlayer binding in graphite2004

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Hasegawa
    • 雑誌名

      Physical Review B 70・20

      ページ: 205431

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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