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スピン1の三角格子反強磁性体、NiGa2S4の磁性を研究した。低温における比熱および帯磁率の温度変化から、低エネルギーの磁気励起が存在するにもかかわらず、中性子散乱より磁気長距離秩序が存在しないことを示した。これらの結果をもとに、この物質がスピン液体的振る舞いを示すことを明らかにした。さらに、スピン液体的振る舞いが隠れた長距離秩序によってもたらされている可能性を追求し、スピンネマティック秩序の存在を理論的に提唱した。スピンネマティック相における量子揺らぎの効果を考察し、現象論的なBilinear-Biquadratic模型をモデルとして用いて、ボゾン化法によって素励起のエネルギーエネルギーと、磁気的熱的熱力学量、およびスピン双極子・四極子の動的揺らぎを計算し、実験結果を定性的に説明できることを示した。
また、カゴメ格子上の伝導電子の示すフラストレーション効果を理論的に研究した。カゴメ格子の結晶構造を反映した3サイトクラスターを用いることにより、相関効果をクラスター動的平均場近似によって取り込み、half fillingの場合の金属絶縁体転移と転移点近傍の磁気的性質を研究し、特異的な1次元スピン相関が現れることを発見した。
さらに、チェッカーボード格子反強磁性量子スピン系の磁場曲線のプラトーを研究した。正方形の空隙に局在したマグノンが結晶化する転移の熱力学を、有限距離のハードコア相互作用をもつボーズ粒子系にマップできることを発見した。その有効ボーズ量子系をモンテカルロシミュレーションにより熱力学を調べ、相転移が存在するが通常の2次元磁気秩序相は存在しないことを示した。
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