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2004 年度 実績報告書

遷移金属化合物における金属絶縁体転移の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16540318
研究機関広島大学

研究代表者

田中 新  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (70253052)

キーワード金属絶縁体転移 / 遷移金属化合物 / 軌道縮重度 / 原子内交換相互作用 / 軌道秩序 / 電荷秩序 / 高エネルギー分光
研究概要

金属絶縁体転移をする物質として古くから知られているVO_2とTi_2O_3において、Vイオンの3d軌道の縮重度を考慮した多電子描像に基づく有限サイズクラスター模型を用いて、その電子状態を議論した。VO_2とTi_2O_3の転移は従来から指摘されているような単純な意味でのMott転移でもPeierls転移でもなく、電子配置の大きな変化を伴った新しいタイプの転移であると考えることにより、統一的な見地から理解できることを示した。この転移においては3d原子内交換相互作用と格子歪みの両者の存在が本質的である。転移により逆光電子分光スペクトルおよび遷移金属L_<2,3>吸収の線二色性に大きな変化が予想され、予測されるスペクトルの計算も行った。
フェリ磁性体であるマグネタイト(Fe_3O_4)は、120K付近でVerwey転移と呼ばれる金属絶縁体転移を起こすが、その転移機構はいまだ明らかになっていない。我々はこの物質における円偏光入射2p内殻共鳴光電子分光実験の解析を行い、価電子帯頂上付近の3d電子状態について詳細な情報が得られることを明らかにした。また、低温相における軌道・電荷秩序状態についてもt_2g軌道の縮重度を考慮したspinless拡張Hubbardモデルを用い議論した。その結果、この物質の低温相においては従来から議論されていた電荷秩序のみでなく、noncollinearな軌道モーメントを伴った軌道秩序状態が存在する可能性があることを指摘した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] On the Metal-Insulator Transitions in VO_2 and Ti_2O_3 from a Unified Viewpoint2004

    • 著者名/発表者名
      田中 新
    • 雑誌名

      Journal of The Physical Society of Japan 73

      ページ: 152-162

  • [雑誌論文] Theory on Metal-Insulator Transitions and Inverse Photoemission Spectroscopy in VO_22004

    • 著者名/発表者名
      田中 新
    • 雑誌名

      Physica B 351

      ページ: 240-244

  • [雑誌論文] Magnetic circular dichroism in Fe 2p resonant photoemission of magnetite2004

    • 著者名/発表者名
      J.Chen他
    • 雑誌名

      Physical Review B 69

      ページ: 085107-1-085107-8

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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