研究概要 |
本計画の最終目標は任意の強さの不規則性と粒子間相互作用を持っ多体量子系を記述する有効理論の構成である。本年度はこの目標に必要である手段としての相互作用を持つ乱雑系に対するレプリカ法の形式の整備に従事するとともに、素粒子理論(特にπ中間子の低エネルギー有効理論、および格子ゲージ理論)への適用を検討した*。現在これらの成果およびその応用について論文化の途上にある。 また研究代表者は、レプリカ法を用いる上のアプローチとは相補的な手法として、弦理論・超対称ゲージ理論の分野で最近注目されている「ホログラフィックな次元縮小による低エネルギー有効理論の導出」の手法を取り上げ、局在現象を記述する非線形シグマ模型への読み替えの可能性を検討した。また,AdS-CFT対応に基づいた,ラージNゲージ理論におけるハドロン(特にΔ共鳴などスピン3/2バリオン)の質量と相互作用に関する研究を行った. 研究代表者は下の招待講演(連続講演)で本研究の概括と現在までの成果を専門研究者に周知させるとともに意見交換・情報収集を行い,オンライン講義録を公開した。さらに、本研究の素粒子論分野(特に格子ゲージ理論)への適用に関する概説論文1編を発表した。 場所: 佐賀大学理工学部 日程: 平成18年11月18目 14:30-18:00 言髯演題目: ''Topics in Chiral Symmetry - Random Matrix Theory for Dirac Spectra, Phases of QCD-1ike Theories" オンライン講義録:http://www. phys, shimane-u. ac. jp/mochizuki_lab/RM-saga. pdf
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