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乾燥粉粒体の堆積の構造について、離散要素法(DEM)に基づく数値シミュレーションを行い、データの解析を行った。その結果、粉体粒子の弾性率が無限の極限で、摩擦のない粒子の場合には、堆積をどのように作成しても構造が最小釣り合い(isostatic)になることが示されたが、摩擦のある粒子の場合には、堆積の作成手順によって、その構造が異なることが示された。しかし、摩擦が有効に効くような手順で作成すると、最小つりあい構造に極めて近い構造になることが示された。
さらに、そのような堆積の力学的な応答について、DEMに基づく数値シミュレーションを行った。その結果、摩擦のない系の場合には、構造が最小釣合いに近づくにつれて、外部からの力学摂動に対する応答が発散し、また、空間的伝播も2つのピーク構造を持って、いわゆる双曲型の偏微分方程式の解のような振る舞いを示したが、摩擦のある場合には、最小釣合い構造に近づいても応答は有限にとどまり、空間分布も一山構造で、放物型の偏微分方程式の解のような振る舞いを示した。
これらの結果は、論文としてまとめ、Physical Review E誌に発表した。
また、乾燥粉粒体の斜面流について、計算機実験および理論解析を行った。特に、斜面流の粉体密度が深さ方向に圧力が増大するにもかかわらず一定に保たれる性質が、バグノルドのストレスを用いて簡単に理解できることを示し、また、定量的に気体分子運動論に基づく粉体流の理論と比較することにより、従来の理論の不十分なところを示した。この結果は、Physical Review Letters誌に掲載予定である。
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