研究課題
研究代表者は、平成17年8月ギリシャで開催された国際会議、3rdlnternational Conference on News Expectations and Trends in Statistical Physicsに参加し、科研費研究課題に関連した研究のひとつをStructural and Dynamical Properties in Complex Earthquake Networksという題で発表した。地震のネットワークが無向グラフ描像において、スケールフリー及びスモールワールド的構造を持つこと。また、クラスター係数の結合度依存性がベキ的振る舞いをし、その階層構造がマグニチュードに閾値をおくことによって崩壊すること報告した。さらに、有向グラフ描像において、周期、経路長という特性量を独自に定義し、それらが双方スケールフリーな性質を有することを報告した。これらは、地震がいかに長時間、長距離離れていても、依然としてその後の地震に影響を及ぼしうることを示した成果である。研究分担者は、平成17年11月課題に関連した内容についてアメリカNaval Research Laboratoryにて、複雑ネットワークについてのセミナーを実施し、A.K.Rajagopal教授およびR.W.Rendell教授と議論を行った。その後、メキシコにおける国際会議Nonlinearity, nonequilibrium and complexity : Questions and perspectives in statistical physicsに参加し、科研費課題に関連する研究発表を行った。研究代表者及び分担者は、平成17年度中に科研費研究課題に関する研究論文を3編発表し、1編の論文が審査中である。その内容は、引き続いて起こる地震の時間間隔がZipf-Mandelbrot分布に従うことを示したもの、地震のネットワークの有向グラフ描像においてその周期の分布がベキ則に従うことを示したもの、また無向グラフ描像において地震のネットワークの階層構造及び次数相関を調べたものなどである。これらの研究により、地震の複雑性が他の系における複雑ネットワークとどんな類似性、相違性を有するかがより明確となった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
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Complexity, Metastability And Nonextensivity (Science and Culture Series--Physics)(World Scientific)(C.Beck et al.(Eds.))
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