研究課題
波浪スペクトルにおける短い波長(短波のブラッグ散乱に関与する波の波長)の方向分布は、短波海洋レーダによって簡単に求めることができる。そこで短波海洋レーダによって求められた短い波長の方向分布と、エネルギー平衡方程式を基に予測した短い波長の方向分布とを比較した。海洋レーダによる方向分布に関しては、2つのパラメータで方向分布が表現される場合と4つのパラメータの場合とを比較した。エネルギー平衡方程式のソース関数の四波共鳴に関しては、離散相互作用近似(DIA)と厳密計算の場合についての比較も行った。まず方向分布の一次モーメントについては、短波海洋レーダ推定値と予測値はよく一致した。特に一次モーメントと風向との差は、短波海洋レーダ推定値と予測値の間で相関があった。これは風向変化に伴う波向きの変化を、エネルギー平衡方程式が予測していることを示す。方向分布の二次モーメントについても、短波海洋レーダ推定値と予測値はよく一致した。海洋レーダによる方向分布に関する2つのパラメータの場合と4つのパラメータの場合とでは、4つのパラメータで方向分布を表現した方が良いことがわかった。エネルギー平衡方程式による方向分布の予測に関しては、厳密計算の場合の方が、DIAに比べて、方向分布が狭くなることが示された。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Geophysical Research 112
ページ: doi:10.1029/2007JC004296