研究課題
基盤研究(C)
本研究では、Yukimatu and Tsutsumi(2002)で開発したSuperDARNレーダーを用いた生時系列観測・解析手法を発展させ、SuperDARNの弱点である時間空間分解能の向上を図ると共に、従来は扱われていなかった散乱体にもSuperDARNの観測対象を拡げる開発を行った。1 第一段階として、距離分解能を向上させる開発を行った。周波数領域干渉法(FDI)とオーバーサンプリングによる2つの手法を実現し、まず流星観測に応用することで中間圏界面領域の中性風速観測の実用化を行った。開発された流星観測法は、従来のF層観測に影響を与えない純粋な副産物として行えることが特長であり、SuperDARNレーダーによる南北極域を取り巻く中間圏界面観測ネットワークを実現する努力を行った。さらに、開発されたFDI法をCUTLAS SSuperDARN(IcelandおよびFinland)に組み込み、Tromsoにある電離圏加熱装置で人工励起された沿磁力線不規則構造(FAI)を観測する実験を2006、2007年に実施し、エコーを引き起こす擾乱の時間空間構造の解明に取り組んだ。2 水平方向の分解能向上のために昭和基地SuperDARNレーダーを用い、20本のアンテナの受信出力を個別にデジタル受信機で記録する多チャンネル化を行った。これによりソフトウエア的に任意の位相の畳重が可能となり、ビーム幅よりも細かい空間構造を探るイメージング技法を適用する準備が整った3 極域中間圏界面領域特有の現象である夏季中間圏レーダーエコー(Polar Mesosphere Summer Echoes : PMSE)を、近距離レンジ観測から抽出するアルゴリズムを開発した。南北半球15基のレーダーによる観測データからPMSE発生頻度の緯度分布を導出した結果、南北半球差が存在することに加え、緯度60度以上の領域では緯度が高くなるにつれてPMSEの出現頻度が増大することが示された。
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