1.現生および化石クモ類標本の系統分類学的研究(代表者小野・分担者直村)これまで九州、沖縄の各地で実施してきた現地調査で得られた標本および国立科学博物館に蓄積されている東アジア産の標本、研究協力者から提供された資料などに基づき、解刮、研磨、撮影、描画、測定等の作業を行った。作業に当っては電子顕微鏡を含む国立科学博物館の現有設備を利用した。管瓶、捕虫具などの消耗品のために物品費を使用したが、作業補助のアルバイトのための謝金は別途手当てした。 2.海外の研究者との意見交換(代表者小野・研究協力者)得られた結果をもとに研究発表のための資料を整え、インターネットを利用してJ.A.Dunlop(ベルリン・フンボルト大学動物学博物館研究員)、P.A.Selden(現在米国カンザス大学教授)、M.S.Zhu(中国河来た大学教授)ら研究協力者と意界交換を行った。 3.研究のまとめ(代表者小野・分担者植村)以上の研究結果を総合し、8月にブラジルで行われた第17回国際クモ学会議において、アジアのハラフシグ子科全体について、おもに生物地理学的な視点で見た現況および古生代デボン紀から現在に至るクテ類の進化との関連に重点を置いて「Zoogeographicnotes on the spiders of the family Liphistiidae」のタイトルで研究発表を行った。またブタンタン研究所(サンパウロ市)の研究者と打合せを行った。そのために旅費を使用したが、海外出張旅費が大きかったため国内旅費は使用しなかった。これまでの研究結果の内容を吟味し、古生代デボン紀の陸上動物相を推測した論文を準備した
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