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2005 年度 実績報告書

古海洋環境変遷に関連した円石藻(石灰質ナンノ化石)の化石化過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16540434
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

田中 裕一郎  独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究グループ長 (50357456)

キーワード円石藻 / 石灰質ナンノ化石 / 溶解 / 炭酸塩 / 化石化 / 化石群集 / 沈降粒子 / 古環境
研究概要

シャツキーライズ近海の異なる深度に設置されたトラップ試料について,円石藻のフラックスと構成種の季節変化を最初に分析する.海洋構造解析データとこれらの円石藻データとの関係を明らかにして,同時間での異なる深度間での比較から群集がどのくらい変化しているのか,あるいは共通性があるのかを解明を行った,その結果,1371mと4787mの深度における円石藻群集は,4月〜6月について占める頻度が異なったことが判明した.深度1371mの年間の特徴あるいは年平均にもっとも影響を与える年間で最も高いフラックスになる時期が4787mで減少しており,海底堆積物における円石藻化石(石灰質ナンノ化石)の群集と表層水の海洋環境を議論する際に,堆積物のE.huxleyiとG.oceanicaやF.profundaのタクサは,平均化された群集となっていることを考慮する必要があることが解った.したがって,この海域の堆積物中のこれらのタクサの環境解析では,その上層の表層水の環境の年間平均を反映しているとみるのが妥当と考えられる.一方,堆積物中のC.pelagicusは,より4月から6月の生物生産量の高い時期を反映した群集であることが明らかとなった.
また,シャツキーライズとヘスライズの柱状堆積物の解析の結果,H.carteriと有機炭素量との関係では,25万年前以降の両者の変動パターンには,強い正の相関が認められた.Ziveri et al.(1985)は,サンタバーバラ海盆域におけるセジメントラップ試料の解析からH.carteriは円石藻フラックスの高い時期となる冬季に高いフラックス値を取っていたと報告している.今回の同種の変動は,冬季の生物量のパターンをしめす有効なプロキシーになりうる可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Seasonal succession, vertical distribution and dissolution of planktonic foraminifera along the Subarctic Front : implications for paleoceanographic reconstruction in the northwestern Pacific2005

    • 著者名/発表者名
      Mohiuddin, M., Nishimura, A., Tanaka, Y
    • 雑誌名

      Marine Micropaleontology 55

      ページ: 129-156

  • [雑誌論文] 北西太平洋セジメント・トラップ実験による放散虫フラックスと科レベルの群集の季節変動2005

    • 著者名/発表者名
      本山功, 大田美由紀, 國生知嗣, 田中裕一郎
    • 雑誌名

      地質学雑誌 111

      ページ: 404-416

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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