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2006 年度 実績報告書

カンラン石の格子歪みによるコンドライト隕石の被衝撃圧の定量的評価

研究課題

研究課題/領域番号 16540440
研究機関九州大学

研究代表者

中牟田 義博  九州大学, 総合研究博物館, 助教授 (80128058)

研究分担者 中村 智樹  九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20260721)
桑原 義博  九州大学, 大学院比較社会文化研究院, 助教授 (90281196)
キーワードコンドライト隕石 / カンラン石 / 格子歪み / 衝撃圧 / X線回折 / ガンドルフィカメラ / 転位密度 / 透過電子顕微鏡
研究概要

本研究課題の最終年度に当たり,これまで行ってきた実験データの解析とまとめを行い,本研究課題の目的であるカンラン石の格子歪みと衝撃圧の関係を表す較正線を作成した.
衝撃継続時間を変化させて行ったカンラン石の衝撃実験の結果から,ガンドルフィカメラを用いて回折X線の広がりから推定されたカンラン石の格子歪みは衝撃圧と比例関係にあるものの,衝撃継続時間が長くなるとその関係を表す直線の傾きは大きくなり,2μS以上の衝撃継続時間で一定の値に集束する.実際の隕石での衝撃継続時間は衝突体が衝撃実験で用いることが出来るものより格段に大きいことから,衝撃継続時間は数秒に達していたとみられている.
衝撃を受けている実際の隕石より取り出したカンラン石の格子歪みを測定し,それに対してこれまでに判定量的に見積もられた衝撃圧との関係から,カンラン石の格子歪みと衝撃圧の関係を表す較正線の範囲を推定すると,推定衝撃圧として2割程度の幅を持つ範囲で較正線の存在領域が限定された.
これまでに行ったもっとも長い1.8μSの衝撃継続時間での衝撃実験から得られたカンラン石の格子歪みと衝撃圧の関係を表す較正線は,実際の隕石から推定される較正線の存在領域内のほぼ中央に位置し,実際の隕石で得られた結果と衝撃実験で得られた結果がよく一致することを示す.この結果を基に,隕石中のカンラン石の格子歪みを測定することにより,コンドライト隕石が被った衝撃圧を2割程度の不確実さで定量的に推定することが可能となった.本結果は,2006年8月にチューリヒで行われた国際隕石学会で報告した.
衝撃を被ったカンラン石中の転移密度を透過電子顕微鏡観察を基に求めると,転位密度の対数値とX線の回折線の広がりから求められた格子歪みとが直線関係にあることがわかった.このことから,X線回折法で求められるカンラン石の格子歪みは衝撃により形成される結晶内の転移を反映したものといえる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Structural state of plagioclase from the Kobe CK chondrites : Implications for the thermal history of the CK parent body2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Nakamuta, T.Nakamura, N.Nakamura
    • 雑誌名

      Journal of mineralogical and petrological Science 101

      ページ: 308-318

  • [雑誌論文] コンドライト隕石中のかんらん石結晶の見かけ格子歪みと移転の関係2006

    • 著者名/発表者名
      青木大空, 藤昇一, 中牟田義博
    • 雑誌名

      九州大学超高圧電顕室研究報告 30

      ページ: 113-114

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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