研究課題
基盤研究(C)
本研究計画ではパルスイオン注入への応用が可能なイオンビーム技術の開発が課題となる。これまでの研究成果に基づき、窒素イオンビームについて従来の加速方式によるイオン電流密度の向上を図るとともに、SiCのドーパントとして期待されるAl^+イオン源を開発した。また、ビーム純度の向上が期待される新しい加速方式として提案した「両極性パルス加速器」の開発を行った。さらに、プラズマフォーカス(PF)から発生される高強度パルスイオンビームを用いて固体材料への照射効果の評価を行った。(1)窒素パルスイオンビームの開発及びイオン電流密度向上既に開発済みのパルスイオンビーム発生装置について、加速ギャップの磁場配位、電極形状の改善、ガスパフ型同軸プラズマガンの改善を行うことにより、パルスアニール効果が期待される50A/cm^2を上回る90A/cm^2のイオン電流密度を達成した。また、マルクス発生器を電源としたコンパクトなイオンビーム発生装置を開発し、70A/cm^2のイオン電流密度を達成した。(2)両極性パルス発生用パルス電源の開発定格出力([-200kV、75ns、7Ω]+[+200kV、75ns、6.5Ω])の両極性パルス電源を開発した。両極性パルスの発生を確認するとともに、開発した電源を用いて両極性パルス加速器の動作を確認を行った。(3)Al^+イオン源の開発高電流のAl^+イオン源の開発を目指して真空アーク方式および細線放電方式のイオン源の開発を行った。真空アークイオン源では同軸形状電極を用いたプラズマガンを試作し、100A/cm^2以上のイオン電流密度を達成した。また、細線放電方式では、50A/cm^2程度のイオン源プラズマを良好な再現性で発生することに成功した。(4)ビーム照射効果の評価PFから発生されるパルスイオンビームをシリコン、アルミニウム、ステンレス等のターゲットに照射し、照射前後の材料の評価を行った。ビーム照射による表面の溶融、結晶性の変化、硬度の変化などを確認した。
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