研究課題/領域番号 |
16540450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
鵜飼 正行 愛媛大学, 工学部, 教授 (10036444)
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研究分担者 |
清水 徹 愛媛大学, 工学部, 助教授 (60196524)
近藤 光志 愛媛大学, 工学部, 助手 (30304653)
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キーワード | 磁気リコネクション / 電磁流体 / 三次元計算機シミュレーション / 磁気圏サブストーム / 太陽フレア / 衝撃波 / 異常電気抵抗 / 宇宙プラズマ |
研究概要 |
今年度は本研究の初年度にあたり、我々が提唱する自発的高速磁気リコネクション機構の三次元構造について基礎研究を行った。太陽フレアや地球磁気圏サブストーム現象などのカタストロフィ現象を理解するために、磁気リコネクション(磁気再結合)を爆発的に発展させる物理機構を解明する事が国際的に中心的な課題となっている。この問題は従来、空間的に二次元問題に対して理論的、数値的に研究が進められてきたが、本研究ではより現実的な異常電気抵抗モデルを設定し、高速磁気再結合過程の成長がその特性的パラメータにどのように依存するかを最も基本的かつ簡単化された三次元的状況で調べた。三次元電磁流体シミュレーション解析の結果、プラズマベータが充分小さい電流シート系では、(微視的)電流駆動型異常抵抗と(巨視的)リコネクション流との正帰還によって一種の非線型不安定性として爆発的に高速磁気再結合機構が、三次元空間でも発展しうることを示した。また、定在的スローショックを伴う高速磁気再結合機構が有限の領域に閉じ込められて成長し、維持されており、その基本的構造は定性的にも定量的にもよく知られた二次元理論モデルとよく一致していることが確かめられた。これにより、高速磁気再結合機構が三次元電磁流体方程式の究極解として実現されうることを世界で最初に実証した。特に、高速磁気再結合機構の発展に伴う衝撃波の存在が明確に実証されており、現在その三次元構造の定量的解析を進めている。もちろん、現実の問題ははるかに複雑であるが、現在までの基本的結果を基に我々が提唱する理論モデルが現実のフレア現象を説明しうる最も有力なモデルであることを議論した。
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