研究課題/領域番号 |
16540450
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
鵜飼 正行 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (10036444)
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研究分担者 |
清水 徹 愛媛大学, 理工学研究科, 助教授 (60196524)
近藤 光志 愛媛大学, 理工学研究科, 助手 (30304653)
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キーワード | 磁気リコネクション / 電磁流体 / 三次元シミュレーション / 磁気圏サブストーム / 太陽フレア / 衝撃波 / プラズモイド / TCR |
研究概要 |
今年度は本研究の3年目にあたり、前年度に引き続き、我々が提唱する自発的高速磁気リコネクション機構の三次元構造について基礎研究を行うと同時に、地球磁気圏サブストームや太陽フレアなどの宇宙プラズマ爆発現象への具体的応用を考えた。まず、地球磁気圏テール領域で観測される大規模プラズモイド現象を取り上げた。磁気圏サブストーム現象の発生に伴い、遠方の地球磁気圏テール領域で大規模なプラズモイドが急激に成長し、地球と反対側に高速で伝搬することが、衛星観測結果から予想されていた。特に、地球磁気圏ローブ領域で、プラズモイドの伝搬に伴い、パルス状の磁場圧縮領域が地球と反対方向に伝搬する現象(TCR)が、精密な衛星磁場観測から明確に示されてきた。このように、TCR現象は20年以上にわたる長年の重要問題として知られてきたが、明確に実証できる理論モデルは発表されていなかった。そこで我々はこの問題に対してシミュレーションモデルを設計し、自発的高速磁気リコネクションの発展に伴うプラズモイドの三次元ダイナミックスの必然的結果として、TCRが発生することを実証し、衛星観測結果と定性的、定量的に一致することを示した。この結果、サブストーム現象は高速磁気リコネクションの結果発生することを議論した。更に、サブストームの発生に伴い、観測から予測されるオーロラ電流回路の形成、もしくはカレントウェッジ現象に応用した。この現象は30年以上前から、サブストームに本質的なプラズマ過程であることが認識されてきたが、明確に実証する理論モデルは発表されていなかった。我々は、この問題に対し、三次元的磁気ループが発展するとき、急激に沿磁力線電流が発展し、カレントウェッジが形成されうることを実証することに成功した。現在、更に太陽フレア現象にも応用することを考えている。
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