研究課題
基盤研究(C)
・円筒の金属管にスリットを入れたマイクロ波アンテナを用いて、大気圧下で非平衡プラズマを発生させる装置を開発した。この装置を用いて大気圧下で石英管内(直径20[mm]、長さ300[mm])にほぼ一様な空間分布を持つプラズマを生成することができた。生成されたプラズマは、ガス温度は約500℃で電子温度が1〜2eVの非平衡プラズマであった。放電開始電力や生成されたプラズマの電子温度等はスリットの本数に大きく依存しており、4本スリットのアンテナが最も安定してプラズマを生成・維持できることを明らかにした。・上記装置で生成した大気圧非平衡プラズマに対して、マイクロ波電力をパルス化することによりその影響を調べた。パルス化しても時間平均された電子温度や電子密度にはほとんど影響はないが、ガス温度は連続発振の場合に比べ100℃以上減少することが分かった。更に、ガス温度はパルス周期やデューティー比に依存することを明らかにした。この結果から、プラズマの非平衡度(電子温度/ガス温度)がパルス周期やデューティー比により制御できることが分かった。・大気圧非平衡プラズマを材料の表面処理や滅菌などのプロセスに用いるために、石英管の一端を開放し、プラズマがトーチ状に噴出する装置を開発した。本装置を用いて直径19mmで長さ約40mm、ガス温度400℃のトーチ状の非平衡プラズマを大気圧下で生成することができた。また、実際のプロセスなどで利用されている、窒素、酸素、ヘリウム等とアルゴンとの混合ガスを用いて大気圧力下でトーチ状の非平衡プラズマを生成することができた。また、それらのプラズマ中には各種のラジカルが存在することを確認した。・本装置を用いて大気圧非平衡プラズマによるプラズマ殺菌を試みた。菌を塗布したプラスッチク製の試料片に、本装置で発生させたアルゴン・酸素プラズマを照射することにより、試料片には熱的なダメージを与えずに短時間(約3秒程度)で完全に滅菌出来ることを確認した。
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Proceedings of the 6^<th> International Conference on Reactive Plasmas and 23^<rd> Symposium on Plasma Processing
ページ: 293-294