研究課題
本研究では、高強度レーザー光を高密度プラズマに照射した場合におけるレーザー磁場強度に匹敵する準静な超強磁場の発生機構と、その強磁場のレーザー光の吸収およびプラズマ中へのエネルギー輸送に対する影響を理解するための理論モデルを構築する。相対論的高強度レーザーによって発生する準静的な超強磁場はその空間位置がレーザー浸入領域にあるという特徴を持つ。このため、レーザー光の吸収に表面磁場が直接関与する。すなわち、レーザーとプラズマとの相互作用領域と、発生する磁場の領域を分離して考えることができないため、現象が強い非線形性を持つ。相対論的高強度レーザーとプラズマの相互作用に潜む非線形性を記述するモデルによる本質の抽出を試みる手助けとするため、2次元の相対論的電磁粒子シミュレーションコードを開発した。また、高エネルギー密度電子によるプラズマ表面における磁場発生に関する理論を簡易モデルを用いることにより構築した。開発したシミュレーションコードを用いて理論の適用範囲と問題点を明らかにした。その結果、自発的に発生した磁場に捕捉される電子に条件があることがわかった。また、発生する磁場強度および範囲のパラメータ依存性を明らかにした。今後シミュレーション結果を参考に、レーザーエネルギーの吸収等の現象を支配する重要な過程を見つけ出し、その物理過程に基づいたモデルを構築する。その構築したモデルの検証を1次元あるいは2次元の粒子シミュレーションを用いることにより行う。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
Physical Review Letters 93, 26
ページ: 265002
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES 6
ページ: 658