研究概要 |
プロトン移動によって結晶中において中心性キラリティを持つ分子として、タルトロン酸、フェニルマロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸を取り上げ、それらとアミン類、ピリジン類およびアミノ酸類との塩または分子間化合物を合成し、X線回折実験によってその結晶構造を明らかにした。また、結晶中の水素結合様式および水素結合中のプロトン移動について検討するためにモデル物質としてクロラニル酸、ブロマニル酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸を取り上げ、アミン類およびピリジン類との塩または分子間化合物を合成し、その結晶構造と水素結合様式を室温と低温(約100K)でのX線回折実験によって調べた。 研究成果の一部であるフェニルマロン酸とベンゾイミダゾールの結晶構造、クロラニル酸とニコチン酸の結晶構造、過塩素酸とトリメチルアミンの塩およびホウフッ化水素酸とトリメチルアミンの塩の結晶構造については既に国際結晶学会誌に発表した。また、タルトロン酸-フェニルエチルアミンおよびタルトロン酸-1-(4-ブロモフェニル)エチルアミンの塩の構造については2005年日本結晶学会で、クロラニル酸-1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン1:1化合物およびブロマニル酸-1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン1:1化合物の結晶構造については2006年日本化学会年会で、それぞれ発表を行った。
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