研究課題/領域番号 |
16550032
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
高部 圀彦 静岡大学, 工学部, 教授 (30022239)
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研究分担者 |
依田 秀実 静岡大学, 工学部, 助教授 (20201072)
間瀬 暢之 静岡大学, 工学部, 助手 (40313936)
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キーワード | 有機分子触媒 / キラルアミノアルコール / 不斉炭素-炭素結合生成反応 / キラル相関移動触媒 / ピロリジンアルカロイド / アミノシュガー |
研究概要 |
1、マレインイミド、シトラコンイミドの選択的部分還元によって得られたヒドロキシラクタムを利用して、以下のピロリジン系アルカロイドおよびアミノシュガーの合成を行なった。マレインイミドからのヒドロキシラクタムをリパーゼによる動的な速度論的光学分割と立体選択的なジヒドロキシ化によりポリヒドロキシラクタムへ変換し、このアルキル化により環状アミノアルコール類(アミノシュガー類)を合成した。さらに、シトラコンイミドからのヒドロキラクタムからは、ピロリジンアルカロイドであるPulchellalactamの合成も行なった。 2、有機分子触媒の一つであるキラルな相間移動触媒について、研究担当者らが開発したC_3対称アミノアルコール系相間移動触媒を用いて、水中でのグリシンシッフ塩基のアルキル化を行なった。その結果、二相間で行なった場合に比べて、シッフ塩基の加水分解によるベンゾフェノンの生成が抑制されることが明らかとなった。しかしながら、このC_3型触媒では不斉効率の低下が認められた。そこで、天然アルカロイドであるシンコニジンアルカロイドから相間移動触媒を調製し、水のみの系でそのアルキル化反応を検討した結果、従来の不斉効率を損なうことなく、アルキル化物の収率向上が達成できた。 3、上記2の水のみの系での反応において興味ある結果が得られたことから、有機溶媒を用いない有機分子触媒反応の開発について検討した。すなわち、L-プロリンから側鎖にアミノ基を有するプロリン誘導体を合成し、水中での有機分子触媒としての機能を検討した。その結果、合成したプロリン誘導体の有機分子触媒を用いたシクロアルカノンと芳香族アルデヒドとのアルドール反応を水のみの系で行なうことにより、極めて高いエナンチオ選択性が達成されることが明らかなった。
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