研究課題
基盤研究(C)
1.アルキルC_<70>カチオンの発生・観測クロロホルム中でC_<70>骨格をもつフラレノールCl_2CH-C_<70>-OHを位置選択的に合成し、これをCF_3SO_3Hに溶解させることによりイオン化させ、初めてのアルキルC_<70>カチオンCl_2CH-C_<70>^+を発生させることに成功した。塩化物Cl_2CH-C_<70>-Clのイオン化自由エネルギーをS_N1型加溶媒分解反応の速度測定によって精密評価することにより、カチオンCl_2CH-C_<70>^+は同じ付加基をもつC_<60>カチオンCl_2CH-C_<60>^+とほとんど等しい熱力学的安定性を有することを明らかにした。2.メチルC_<60>カチオンの発生と観測アルキルフラーレンカチオンの基本体であるメチルC_<60>カチオン(CH_3-C_<60>^+)を、フラレノールCH_3-C_<60>-OHのCF_3SO_3H処理により発生させ、NMRおよび可視・近赤外吸収スペクトルで観測することに成功した。3.アルキルC_<60>カチオンの固体単離これまで超強酸中でしか発生できなかったアルキルC_<60>カチオンが中性有機溶媒であるジクロロメタン中で発生可能であり、さらにこの溶液にCS_2を第2溶媒成分として添加することにより、塩ClCH_2-C_<60>^+SbCl_6^-を粉末として単離することに成功した。4.アルキルC_<60>カチオンを用いたシリカ表面における単分子膜形成シリコンウェファーあるいはシリカの表面を塩化物ClCH_2-C_<60>-Clのジクロロメタン溶液で処理することにより、表面にClCH_2-C_<60>-O-基が結合した単分子膜を作製することに成功した。エリプソメトリーおよび吸収スペクトルにより、占有面積6nm^2/molecの高密度でフラーレンが表面に結合したことが確かめられた。
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