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2006 年度 実績報告書

ナフタレンおよびアントラセン骨格を活用した拡張超原子価結合系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16550038
研究機関和歌山大学

研究代表者

林 聡子  和歌山大学, システム工学部, 助手 (00294306)

研究分担者 中西 和郎  和歌山大学, システム工学部, 教授 (80110807)
キーワード拡張超原子価結合 / 結合様式 / 理論計算 / ナフタレン / アントラセン / 典型元素 / 孤立電子対 / 長鎖・直線状結合
研究概要

3中心4電子結合(3c-4e)の研究は広範に行われているが、その拡張系であるmc-ne(m≧4)系すなわち、拡張超原子価結合は理論的にも実験的にも研究が始まったばかりである。弱い相互作用を巧みに利用した研究例は多いが、弱い相互作用を分類し、それらの全容解明を目指した例はほとんどない。申請者らは、拡張超原子価結合の特性は、超原子価結合とは、全く異なることを明らかにしてきた。本研究課題では、これまで構築に成功したナフタレンの系における硫黄やセレン原子による4c-6e系、アントラセンおよびアントラキノンの系における5c-6e系の知見をもとに、アントラセンの系において、4c-6eおよび6c-10eの構築に成功した。NMRやサイクリックボルタンメトリー、UV等による機器測定を行い、一方で計算化学の手法を駆使して評価を行い、その特徴を究明した。しかし、結晶が細い針状晶であるため、X線結晶構造解析を行うのに適した単結晶が得られず、現在なお単結晶作成に取り組んでいる。
また拡張超原子価結合系の評価を行うにあたり、「化合物の電子状態を検討するため、^<77>Se NMR化学シフト値の測定値をその計算値を含めて比較検討することにより、詳細な検討を行う。」という観点から、一昨年から取り組んでいる^<77>Se NMR化学シフトにおけるアリール基の配向性について実験的・理論的立場から詳細な検討を行い、さらに種々の化合物についてその応用を行った。その結果これまで溶液状態の構造解析が、困難であった化合物についても解析が行えるようになった。
さらに、拡張超原子価結合5c-6e系を3c-4e系と比較しながら、Atoms-in-Molecules (AIM)解析を用いて、それらの結合様式を詳細に明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] How ^<77>Se NMR Chemical Shifts Originate from Pre-α,α,β,and γ Effects : Interpretation Based on Molecular Orbital Theory2007

    • 著者名/発表者名
      W.Nakanishi, S.Hayashi, M.Hada
    • 雑誌名

      Chemistry - A European Journal (印刷中)(Web公開4月16日)

  • [雑誌論文] Structures in 8-(Methylselanyl)-1-(methylseleninyl)- and 1, 8-Bis (methylseleninyl) naphthalenes : Transition States Involving Simultaneous Rotation Around Se- C Bonds, Together with Stable Structures2007

    • 著者名/発表者名
      S.Hayashi, W.Nakanishi
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Structure : THEOCHEM (印刷中)

  • [雑誌論文] Atoms-in-Molecules Analysis of Extended Hypervalent Five-Center, Six-Electron (5c-6e) C_2Z_2O Interactions at the 1,8,9-Positions of Anthraquinone and 9-Methoxyanthracene Systems2006

    • 著者名/発表者名
      W.Nakanishi, T.Nakamoto, S.Hayashi, T.Sasamori, N.Tokitoh
    • 雑誌名

      Chemistry - A European Journal 13・1

      ページ: 255-268

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Proposal for Sets of ^<77>Se NMR Chemical Shifts in Planar and Perpendicular Orientations of Aryl Group and the Applications2006

    • 著者名/発表者名
      S.Hayashi, W.Nakanishi
    • 雑誌名

      Bioinorganic Chemistry and Applications (印刷中)(Web公開8月29日)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Orientational Effect of Aryl Groups on ^<77>Se NMR Chemical Shifts : Experimental and Theoretical Investigations2006

    • 著者名/発表者名
      W.Nakanishi, S.Hayashi, D.Simizu, M.Hada
    • 雑誌名

      Chemistry - A European Journal 12・14

      ページ: 3829-3846

  • [雑誌論文] Structures of 1-(Arylseleninyl) naphthalenes : O, G, and Y Dependences in 8-G-1-[p-YC_6H_4Se(O)]C_<10>H_62006

    • 著者名/発表者名
      S.Hayashi, H.Wada, T.Ueno, W.Nakanishi
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry 71・15

      ページ: 5574-5585

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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