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2005 年度 実績報告書

微小イオン会合体相抽出・濃縮法における微量成分の濃縮メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 16550069
研究機関富山大学

研究代表者

波多 宣子  富山大学, 理学部, 助手 (90134999)

キーワード微小イオン会合体相 / 高濃縮率 / 相分離 / 弟4級アンモニウム塩
研究概要

微小イオン会合体相抽出・濃縮法とは,「試料水に,適当な組み合わせの有機陽イオンと有機陰イオンを加え,遠心分離により,微小イオン会合体相を生成させる。試料水中の疎水性の分析目的成分を,イオン会合体相に選択的に抽出する。イオン会合体相を少量の溶媒で希釈し,測定に供する」方法である。
微小イオン会合体相抽出による微量成分の濃縮・定量法について研究した。その濃縮メカニズムを調べるため,有機陽イオン,有機陰イオンを変えて,イオン会合体相を生成させ,目的化学物質をイオン会合体相へ分配させ,その分配定数(log K_d)を求めた。
ベンゼトニウムイオン(Ben^+)とフェノールスルホン酸イオン(PS^-)からなるイオン会合体相への分配挙動を,エストロゲンの一種であるエストロン,17β-エストラジオール,エチニルエストラジオールについて,本研究課題で購入した電気化学検出器を用いて調べた。フタル酸エステル類は既存のUV検出器により測定した。これら3種のエストロゲンと,フタル酸ジ-n-ヘキシルの,疎水性の尺度であるオクタノール/水分配定数log K_<ow>とイオン会合体相抽出の分配定数log K_dの値を比較した結果,Ben^+とPS^-からなるイオン会合体相は,抽出溶媒としてはオクタノールよりも抽出力が高いことが分かった。また,log K_<ow>とイオン会合体相抽出のlog K_dとの間に正の相関があることから,今回検討した系において,イオン会合体相抽出は溶媒抽出モデルで解析できることがわかった。つまり,新たに別の相を生成させるイオン会合体相抽出も,溶媒抽出と同様の濃縮メカニズムによって,分析目的成分がイオン会合体相に抽出されていることが推定された。
成果の一部を,日本分析化学会第54年会(名古屋大学)およびPACIFICHEM 2005(Honolulu Hawaii, USA)において発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Behavior of di(2-ethylhexyl) phthalate discharged from domestic wastewater into aquatic environment2006

    • 著者名/発表者名
      Yuwatini, E., Hata, N., Taguchi, S.
    • 雑誌名

      Journal of Environmental Monitoring (JEM) 8巻・1号

      ページ: 191-196

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 微小イオン会合体相抽出および固相抽出/HPLC定量による神通川流域におけるフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)の動態調査2005

    • 著者名/発表者名
      ユワティニ エリニ, 波多 宣子, 田口茂
    • 雑誌名

      Journal of Ecotechnology Research 11巻・3号

      ページ: 137-142

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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