研究課題
基盤研究(C)
前年度に達成できた成果の上に、水素吸蔵および触媒作用に注目を浴びている新しいパラジウム微粒子を合成した。本年度に達成できた成果は、(1)常温合成法により、パラジウム微粒子を合成した。(2)合成した微粒子を分離・濾過により粒径均一である200ナノメータのパラジウム微粒子ができた。(3)合成した微粒子の分散溶媒を選択した。アセトニトリルが最良の溶媒であった。(4)微粒子溶液の可視紫外スペクトル、対応する酢酸パラジウム分子の溶液のスペクトル、粒子分散溶液を展開乾燥した膜のスペクトルを測定し、バンドの帰属、対応関係を調べた。(5)電気化学測定(サイクリックボルタンメトリ)を行い、酢酸パラジウムを一種の表面活性剤の役割であることを分かった。粒子のボルタモグラムが以前測定したステアリン酸銀ナノ粒子と同等であるかどうか、定量的に検討した。酸化波および還元波共に拡散律速挙動であった。電流の比から、酢酸パラジウムと金属パラジウムの粒子数の比を算出した。(6)金属パラジウムを酸化滴定することにより、金属パラジウムと酢酸パラジウムの粒子数の比を算出した。(7)パラジウム微粒子を加熱することにより、300℃以上で金属パラジウムになることを見出した。その電気抵抗と昇温速度の関係から、活性化エネルギーを求めた。40kJ mol^<-1>であった。(8)ヒトラジンによりメチルブルーの還元速度を基準として、パラジウム微粒子の触媒作用を見積もったところ、パラジウム微粒子の触媒反応速度がヒトラジンより速い、一次反応であることが分かった。(9)触媒反応速度定数が粒子の表面積に比例し、表面触媒作用であることがわかった。それらの結果を、昨年度の成果を含めて、11報の論文に報告した。
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すべて 雑誌論文 (21件)
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