• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

走査型電気化学顕微鏡による生体膜モデル油水界面での電子移動反応の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16550073
研究機関神戸大学

研究代表者

大堺 利行  神戸大学, 理学部, 助教授 (00194118)

キーワード油水界面 / 電子移動 / 走査型電気化学顕微鏡 / マーカス理論 / 速度定数 / 拡散律速 / 抗酸化剤
研究概要

前年度に行った走査型電気化学顕微鏡(SECM)を用いる天然抗酸化剤(アスコルビン酸およびクロロゲン酸)のニトロベンゼン/水界面およびベンゼン/水界面での電子移動の研究に関して、反応機構に関する詳細な検討を行った。これにより、油水界面電子移動の反応様式の一つであるイオン移動機構には、従来の水相中での電子移動によるもの以外に、油相中での電子移動によるものがあることが分った。この研究成果については、2005年12月にハワイで開催された2005環太平洋国際化学会議において口頭発表を行った。
一方、油水界面電子移動のもう一つの反応様式である電子移動機構(真の電子移動反応)について、これを支配する基本的な法則を理解するため、1,6-ジクロロヘキサン/水界面でのデカメチルフェロセンとヘキサシアノ鉄酸との電子移動反応の速度定数をSECMによって測定した。測定された二次の速度定数kは反応のギブズ自由エネルギー変化(ΔG)に依存したが、kが大きな領域では、先に我々が提出した理論的予測に一致して、kの値が頭打ちになることが分った。この結果は、速度定数kがΔGに依存するとしたマーカス理論を基本的に支持するとともに、油水界面電子移動が二分子反応であることに着目した我々の考えを支持した。つまり、SECMなどの電気化学的手法により測定される見かけの速度定数は、界面での酸化還元物質の微視的拡散プロセスの効果を含んでおり、界面での電子移動プロセスが非常に速い場合、拡散律速となることが示唆された。しかしながら、頭打ちとなったkの値は、先の我々の理論によって見積った拡散律速の速度定数よりも一桁小さく、現在のところ、その理由は分っていない。さらなる実験的検証が必要と思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Direct Spectroelectrochemical Observation of Interfacial Species at the Polarized Water/1,2-Dichloroethane Interface by Ac Potential Modulation Technique2006

    • 著者名/発表者名
      H.Nagatani
    • 雑誌名

      J.Electroanal.Chem. 第588巻・1号

      ページ: 99-105

  • [雑誌論文] Quantitative Analysis of the Structure-Hydrophobicity Relationship for Di- and Tripeptides Based on Voltammetric Measurements with an Oil/Water Interface2006

    • 著者名/発表者名
      T.Osakai
    • 雑誌名

      Phys.Chem.Chem.Phys. 第8巻・8号

      ページ: 985-993

  • [雑誌論文] 油水界面の電気分析化学における最近の進歩(総説)2005

    • 著者名/発表者名
      大堺 利行
    • 雑誌名

      分析化学 第54巻・4号

      ページ: 251-266

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi