研究課題/領域番号 |
16550079
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大木 章 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20127989)
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研究分担者 |
高梨 啓和 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40274740)
中島 常憲 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (70284908)
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キーワード | 廃棄物再資源化処理 / メタン発酵 / ヒ素 / アンチモン / スペシエーション / 試料前処理 / 原子吸光分析 / 原子蛍光分析 |
研究概要 |
本研究では、メタン発酵等の廃棄物再資源化プロセスにおいて、廃棄物中に含まれるヒ素やアンチモンの化学形がどのように変化するかをモニターできる簡易スペシエーション技術を開発する。昨年度には、超低温捕集-水素化物発生原子吸光分析(CT-HGAAS)を中心に検討を行い、最適条件を見出した。本年度は、液体クロマトグラフ-水素化物発生原子蛍光分析(HPLC-HGAFS)のための試料前処理について、抽出溶媒のさらなる改良を行った。メタン発酵において、外部的にジメチルアルシン酸(DMA)やアルセノベタイン(AsB)を添加し発酵を行い、汚泥中のヒ素スペシエーションをHPLC-HGAFSやCT-HGAASを用いて試みた。DMAやAsBは海産物中に比較的高濃度に含まれており(10-100 ppm)、このような濃度に匹敵する量を添加した。メタン発酵の進行とともに、AsBは気化性のトリメチルアルシン(TMA)に変換され、気相中に移行した。メタン発酵により発生するガスを、KMnO_4水溶液中にトラップする装置を考案し、この溶液をCT-HGAASによって分析することでTMAの生成を確認した。DMAは、AsBを経由してトリメチルアルシンに変換され気相中へ移行することを見出した。アンチモンのスペシエーションについては、CT-HGAASを用いて試み、トリメチル態と無機態を分別定量できることを明らかにした。メタン発酵において、外部的にアンチモン(無機態)を添加し発酵を行い、スペシエーションを行ったが、ヒ素の場合のような化学変換は見られなかった。メタン発酵プロセスにおけるヒ素のスペシエーションを中心に、現在論文投稿を準備中である。
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