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2004 年度 実績報告書

シクロリン酸の構造的特徴を活かしたかご状有機金属多核錯体の構築と無機材料への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16550101
研究機関中央大学

研究代表者

石井 洋一  中央大学, 理工学部, 教授 (40193263)

キーワードシクロトリホスファト / シクロテトラホスファト / ホスホナト / チタン / イリジウム / ロジウム / 三核錯体 / 四核錯体
研究概要

シクロホスファトイオンはその柔軟な構造により配位金属の要請に応じてさまざまなコンフォメーションを取ることが可能で、多様な構造を構築できる配位子である。しかしながら、有機金属シクロホスファト錯体はいまだその一般性のある合成法が確立されていない。本研究では、シクロホスファト錯体の合成法開発のため、シクロトリホスファト、シクロテトラホスファトと各種の遷移金属錯体との反応を検討した。
まず、[Cp^*TiCl_3](Cp^*=η^5-C_5Me_5)とシクロテトラホスファト塩(PPN)_4(P_4O_<12>)(PPN=Ph_3P=N=PPh_3^+)との反応では、2分子のシクロテトラホスファト配位子が2つのCp^*Tiユニットで張り合わされた、かご状のアニオン錯体(PPN)_2[(Cp^*Ti)_2(P_4O_<12>)_2]が生成した。一方、オキソ架橋三核チタン錯体[(Cp^*TiCl)_3(μ-O)_3]と(PPN)_4(P_4O_<12>)の反応では、1分子のシクロテトラホスファト配位子と1つののチタン三核ユニットから成るかご状錯体(PPN)[(Cp^*Ti)_3(μ-O_3)(P_4O_<12>)]が得られた。後者の錯体は4つのリン原子が室温で^<31>PNMRで等価に観測され、三核チタンユニットとシクロホスファト部分が相対的に回転する動的挙動を示すことがわかった。これに対し、[(Cp^*TiCl_2)_2(μ-O)]あるいは[(Cp^*TiCl)_3(μ-O)_3]とシクロトリホスファト塩(PPN)_3(P_3O_9)の反応では、それぞれ(PPN)_2[(Cp^*Ti)_2(μ-O)(P_3O_9)_2]および(PPN)[(Cp^*Ti)_3(μ-O)_3Cl(P_3O_9)]が得られた。これらのうち後者の錯体もTi-O結合の組み換えによるフラクショナルな挙動を示す。
ホスホナト配位子(PhPO_3^-,tBuPO_3^-)を含むロジウム、イリジウム錯体の検討では、[{M(diene)}_4(RPO_3)_2]の組成を持つ3種の構造を結晶解析により明らかとした。それらは溶液中では容易に相互変換されるが、その過程にある3種もの構造が決定できたことは興味深い。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis, Structures, and Solution Behavior of Di- and Trinuclear Titanium(IV)-Cyclophosphato Complexes2004

    • 著者名/発表者名
      Sou Kamimura
    • 雑誌名

      Inorganic Chemistry 43

      ページ: 6127-6129

  • [図書] Multimetallic Catalysis in Organic Synthesis2004

    • 著者名/発表者名
      Youichi Ishii
    • 総ページ数
      295
    • 出版者
      Wiley-VCH
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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