研究課題/領域番号 |
16550127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
白上 努 宮崎大学, 工学部, 助教授 (60235744)
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研究分担者 |
保田 昌秀 宮崎大学, 工学部, 教授 (00174516)
松本 仁 宮崎大学, 工学部, 助手 (90363572)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | アンチモンポルフィリン / 軸配位子 / カチオン交換性層状粘土 / 粘土層 / 複合体 / 非会合状態 / 層構造 / 光電子移動 |
研究概要 |
カチオン交換性層状粘土とアンチモンポルフィリン錯体との複合体形成において、粘土層内でのポルフィリンの配向性および層構造について検討した。その結果、アンチモンポルフィリン錯体の軸配位子構造が両者に対して大きな影響を及ぼすことを明らかにした。一般に粘土層内での色素は会合状態にないることが知られているが、今回軸配位子部分にカチオン部位を持つ場合には、粘土層内でポルフィリンは非会合状態で配列化されることがわかった。さらにXRD, IR測定、および軸配位子周辺の立体効果の影響を検討した結果から、層構造形成の制御過程には粘土のアニオン部位と軸配位子のカチオン部位との静電的相互作用が重要であることを明らかにした。 さらに、ガラス基板上へのアンチモンポルフィリン・粘土複合体の薄膜化を試みた結果、アンモニウムカチオンでコーティングされたガラス基板上へスピンコート法によって複合体水溶液を塗布することで、均一な粘土薄膜が形成できることを明らかにした。薄膜化に成功したので、粘土層上にピラニン分子とアンチモンポルフィリン錯体を共吸着させた膜を形成し、ピラニン分子の蛍光挙動を観測した結果、吸着するアンチモンポルフィリン錯体の量の増加と共にピラニンの蛍光が消光されることがわかった。両者の酸化還元電位から考慮すると、この消光過程は電子移動過程であると推定された。ピラニン分子とポルフィリンを別々な粘土層へ独立して吸着させた場合、ピラニンの蛍光はほとんど消光されなかった。以上の結果より、粘土層内(inter sheet)での電子移動は効率よく進行するものの、粘土層間(intra sheet)での電子移動は進行しないことを明らかにした。また、ポルフィリン分子への有効な励起エネルギー供与分子として知られているボランージピリン錯体を用いて検討した結果、粘土層上での両者間のエネルギー移動が進行することも明らかにした。
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