研究課題
基盤研究(C)
本研究課題は光学不活性ペプチドらせん骨格を主として用い、蛋白質骨格に内在する不斉情報の伝達経路や増幅過程を解明することを主たる目的としている。特に、キラル単位からペプチドらせん鎖への不斉情報の伝達をペプチド鎖-キラル単位、ペプチド鎖間およびペプチド集合体で検討した。主な成果は以下のようにまとめられる。・ペプチドらせん鎖のN末端での分子間相互作用およびキラル錯体形成についての機構を確認できた。・ペプチド鎖の不斉誘導あるいはらせん鎖に沿った不斉伝達を幾つかのペプチドシーケンスで観測できた。・光学不活性なシーケンスの特定の位置にキラル残基を組み込んだペプチドについて、そのキラリティに及ぼす外部条件あるいは外部刺激の影響を明らかにした。・デヒドロアミノ酸を含有したペプチドらせんの円二色性スペクトルおよび遷移状態を分子軌道計算により予測することができた。・らせん鎖同士の不斉相互作用において、そのペプチドの化学構造と不斉誘導の関係についての情報を得ることができた。・オリゴペプチドの会合現象と不斉増幅に関する情報を得ることができた。・2本のペプチド鎖を適当なリンカーで結合させたペプチドについて、その不斉信号に及ぼす分子内キラリティや溶媒効果に関する研究に着手することができた。・ペプチド集合体としての固体状態や水溶液中での不斉相互作用を調べ、今後の展開における方向性を得ることができた。本研究の一部は学術雑誌4件(発表予定を含む)にまとめられている。
すべて 2006 その他
すべて 雑誌論文 (8件)
Biopolymers(DOI 10.1002/bip.20491, 2006年) 82・5(印刷版の出版予定)(著者校正前のものはOnlineにて公開)
ページ: 471-481
Polym. J. 38・5
ページ: 432-441
Biopolymers(DOI 10.1002/bip.20557, 2006年) (印刷版は準備中)(著者校正前のものはOnlineにて公開)
Biopolymers (The print version will appear on 82 (5).)
ページ: 471, DOI 10.1002/bip.20491-481
Polym.J. 38(5)
Biopolymers (The print version is under preparation.)
ページ: DOI 10.1002/bip.20557
J. Phys. Chem. A (発表予定:受理掲載予定)
J.Phys.Chem.A (accepted for publication)