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2005 年度 実績報告書

ペプチドを用いたタンパク質の構造形成と構造-機能相関の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16550149
研究機関京都薬科大学

研究代表者

廣田 俊  京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (90283457)

キーワード蛋白質 / ペプチド / 構造形成 / 構造-機能相関 / プラストシアニン / チロシン含有ペプチド / 電子移動
研究概要

生体内では、タンパク質はお互いに相互作用して存在している。本研究では、オリゴペプチドをタンパク質の部位モデルとして用い、ペプチドとタンパク質の相互作用を詳細に調べることにより、タンパク質の分子認識様式、他分子との相互作用による構造変化及びその機能への影響、タンパク質とペプチドとの反応性を解明することを目的としており、本年度は、以下の成果を得た。
1.酸化型プラストシアニン(PC)とTyrTyrTyrとを混合すると、酸化型PCに由来する600nm近傍の吸収が減少し、PCは徐々に還元された。この反応では、吸収スペクトルの等吸収点が観測されたことより、酸化型cyt cとTyrTyrPheとの反応と同様、タンパク質であるPCには、反応中間体が存在しないことが示唆された。
2.PCとTyrTyrTyrとの反応の反応速度定数k_<obs>の逆数は、ペプチド濃度の逆数に比例した。また、pHを高くするとk_<obs>は大きくなったことより、ペプチド内のチロシンの脱プロトン化により反応が促進することが解った。反応系のイオン強度を高くすると、反応速度が速くなり、k_<obs>の対数はイオン強度の二乗根に対して正の直線関係を示した。この傾向は、cyt cとTyrTyrPheの反応において、k_<obs>の対数がイオン強度の二乗根に対して負の直線関係を示したのと反対であった。この原因は、cyt cが正に帯電しているのに対して、PCが負に帯電しているためで、イオン強度を増すと、PCとTyrTyrTyrの静電反発が小さくなり、複合体を形成し易くなるためと解釈した。
3.PCとTyrTyrTyrとの反応による反応生成物をHPLCを用いて分離精製し、マススペクトルを測定したところ、TyrTyrTyrの二量体など、チロシルラジカルによる反応生成物が検出された。以上の結果より、cyt cとTyrTyrPheとの反応と同様、タンパク質であるPCがチロシン含有ペプチドにより還元されると、チロシルラジカルが生成することが解った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Reduction of Ferricytochrome c by Tyrosyltyrosylphenylalanine2005

    • 著者名/発表者名
      Hirota, S., Okumura, H., Kuroiwa, S., Funasaki, N., Watanabe, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Inorganic Chemistry 10・4

      ページ: 355-363

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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