研究課題/領域番号 |
16550160
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研究機関 | 大阪府立産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
櫻井 芳昭 大阪府立産業技術総合研究所, 化学環境部・化学材料系, 主任研究員 (50359387)
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研究分担者 |
佐藤 和郎 大阪府立産業技術総合研究所, 情報電子部・電子・光材料系, 研究員 (30315163)
長山 智男 大阪大学, 大学院・工学研究科・物質生命工学専攻, 助手 (90304005)
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キーワード | ポリシラン / マイクロレンズアレイ / 紫外光分解 / イオン性ポリマーコロイド / カラー化 / ポリマー電着 |
研究概要 |
当該研究では、ポリシランの紫外(UV)光分解によって誘起される膜の物性変化を利用した応用展開を図っている。その一つである水に対する膨潤性および撥水性の変化に着目し、紫外光分解パターニング部分へのポリマーコロイドの導入やポリマー電着法を用いることで、比較的簡単にマイクロレンズアレイを作製できることを示してきた。今回、ポリマー電着法を用いて、カラー化(青、緑色)マイクロレンズの作製を行った。 ポリシランとして、poly[methyl(phenyl)silane](PMPS)を用い、ガラス基板上にトルエン溶液からのスピンコート法により製膜し、直径100μm円形パターン配列にUV光分解パターニングを行った。銅フタロシアニン(青色)を加えたカルボキシル基をもつアニオン性ポリマーコロイド分散水溶液(ハニー化成製MER-34)にPMPS膜を浸積し、印加電圧30V、溶液温度45℃にて30秒間電着を行った(陰極:ステンレス板)。電着後、洗浄、大気下オーブン(130℃)にて加熱処理を行った。 得られた試料の表面形状観察から、広範囲にわたりカラーレンズが形成されていることを確認した。また、塩素化フタロシアニンを用いることにより、緑色マイクロレンズアレイも得た。さらに、カチオン性ポリマーコロイド粒子を用いてもマイクロレンズが作製できることもわかった。 以上、ポリシランのUV光分解部分とポリマー電着法を利用した、カラー化マイクロレンズアレイ作製方法の開発に成功し、「UV光分解、ポリマー電着」を繰り返し行うことにより、フルカラーマイクロレンズアレイへの可能性を示した。このように、電着液に機能性材料を分散させるだけで、レンズ本来の「集光」に加えて、光(電子)機能をも併せ持つマイクロレンズアレイの作製を実例を持って示した。
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