研究課題
基盤研究(C)
水ガラス、水酸化アルミニウムから合成される無機硬化体が、バルク状ゼオライトの前駆体になりうる可能性を明らかにすると共に、水酸化アルミニウムへのメカノケミカル処理がゼオライト生成に及ぼす影響を調べ、得られた硬化体の重金属除去特性を調べた。カリウム系のゼオライトでは、140℃以上の熱処理温度でゼオライトF型の生成が認められた。この生成温度は、カリウムの添加量に大きく依存し、カリウムの添加の増加と共に、生成温度は著しく低下することが明らかになった。カリウムの添加量が、K:Al:Si=1:1:1の組成ではゼオライトの生成に140℃以上必要であったのに対し、K:Al:Si=1.5:1:1、K:Al:Si=2:1:1の組成では、それぞれ80℃、60℃でゼオライトが生成した。また、いずれの組成においても析出したゼオライトはゼオライトF型であった。ただし、カリウムを過度に添加した場合は、合成されたゼオライト硬化体は耐水性を示さず、水の中で崩壊した。一方、ナトリウム系では、ゼオライトA単一相(Si:Al:Na=1:1:1)からなる硬化体を合成できた。また、出発原料である水酸化アルミニウムの結晶粒子径を変化させ、ゼオライトを合成すると、粒子径が大きいとFaujasite型ゼオライト、粒子径を小さくするにつれてゼオライトAの生成が確認されたが、メカノケミカル処理した水酸化アルミニウムと同程度の粒子径でもゼオライト単一相からなる硬化体を合成することができなかった。すなわちメカノケミカル処理がゼオライトA単一相の合成に有効であることが明らかになった。さらにメカノケミカル処理した水酸化アルミニウムを用いた場合には60℃の熱処理温度でもゼオライトAが生成し、メカノケミカル処理が、ゼオライトの生成温度にも大きく影響を与えていることが分かった。さらに、いずれのゼオライト硬化体も優れた重金属除去性能を示した。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (10件)
材料 55・7(7月号に掲載)
Analytical Biochemistry 349
ページ: 292-296
J.Soc.Mat.Sci., Jpn (In print)
ページ: 55-56
材料 54・6
ページ: 580-584
J.Soc.Mat.Sci., Jpn 54-6
材料 53・6
ページ: 613-617
J.Soc.Mat.Sci., Jpn 53-6