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2005 年度 実績報告書

層状チタン酸塩の合成とインターカレーション電池への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16550170
研究機関徳山工業高等専門学校

研究代表者

大橋 正夫  徳山工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (80160597)

キーワードチタン酸塩 / 層状 / イオン交換 / リチウム / 二次電池 / 正極
研究概要

レピドクロサイト型構造を持つ一連の層状チタン酸塩を、リチウム二次電池の正極材料へ応用する研究を進めている。これら層状チタン酸塩は、現在リチウムイオン電池の正極として広く使われているコバルト酸リチウムと同様、インターカレーション電池の正極として、応用可能であると考えられる。本年度は、層内のチタンサイトの一部を、鉄(III)イオンで置き換えた構造をもつK_xTi_<2-x>Fe_xO_4(x=0.80)について調べた。合成は、炭酸カリウム、アナターゼ型二酸化チタンおよびα-酸化鉄を用いた。所定比の混合物を、1100℃で20時間、2回加熱した。次いでこの化合物の層間のカリウムイオンを水素イオンで交換した。試料を0.05M硫酸中に分散し、室温で3日間反応させた。水素イオン交換生成物のXRD図は単一相として指数付けすることができた。カリウムおよび鉄は原子吸光分析により定量した。チタンはクペロンを用いる重量法により定量した。イオン交換反応により取り込まれた層間水の量はTG-DTA測定により求めた。層間のカリウムイオンは99%が溶出し、水素イオンに交換された。この水素イオン交換生成物を110℃で1時間加熱すると、層間水は取り除かれ、層間距離が0.910nmから、0.750nmに減少した。この層間水を取り除いた試料をリチウム二次電池の正極として、充放電特性を調べた。電流密度は1.0mA/cm^2とし、1.5-4.2V間で放電後、充電を行った。放電容量はおおよそ100mAh/gであった。これは、組成式あたり0.62のリチウムイオンがインターカレーションすることに相当する。充電容量は70mAh/gであり、組成式あたり0.43のリチウムイオンがデインターカレーションすることに相当する。本研究で合成した試料は、インターカレーション電池の正極として優れた特性をもつことが明らかとなった。また、試料中の金属はチタンと鉄のみであるため、環境調和型正極材料としても有用であると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 層状チタン酸塩K_xTi_<2-x>Fe_xO_4(x=0.80)のイオン交換とリチウム二次電池正極材料への応用2005

    • 著者名/発表者名
      大橋正夫
    • 雑誌名

      徳山工業高等専門学校研究紀要 29号

      ページ: 29-33

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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