研究課題
透過型電顕(TEM)による高分解能観察には厚さ50nm以下の薄い試料が望まれるので、引き続き本年度も薄膜やナノファイバーの作製手法確立に主眼をおいた。1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)を静置場でメルトから結晶化させると、結晶化温度が200℃より高温ではusualな球晶が、200℃より低温ではunusualな球晶が形成される。薄膜中に生長した各々の球晶のTEM観察を引き続き行い、ラメラの成長方向や光学的複屈折特性の原因について更なる考察を加えて、PPS-22(平成18年7月2-6日;山形)、IMC16(9月3-8日;札幌)で発表した。第56回高分子学会年次大会(平成19年5月29-31日;京都)でも発表予定である(予稿番号1C15)。2)PBTを含めた各種の芳香族ポリエステルについて、エレクトロスピニング(e-spinning)法によってナノファイバーを作製した。作製条件、得られたナノファイバーのモルフォロジーについて、PBTを代表として平成18年度繊維学会年次大会(6月12-14日;東京)で発表した。3)ポリジオキサノン(PPDX)のナノファイバーをe-spinning法により作製し、そのモルフォロジーについて、平成18年度繊維学会年次大会(6月12-14日;東京)、PPS-22(7月2-6日;山形)、韓国-日本合同シンポジウム(10月10日;Busan,韓国)で発表した。平成19年度繊維学会年次大会(平成19年6月20-22日;東京)でも発表予定である(予稿番号2B01)。ずり歪みにより作製したPPDXの一軸配向薄膜と、e-spinning法により作製した再生シルクフィブロイン・ナノファイバーのモルフォロジーを、第50回日本学術会議材料工学連合講演会(平成18年12月13-14日;京都)で発表した。4)ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートについてもe-spinning法を用いてナノファイバーの作製を試みたが、これらを含めた全ポリマーのナノファイバーの直径は平均100nm以上であり、平均直径を50nm以下にし、且つ高配向性や高結晶性にするには更なる工夫が要ることが分かった。
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