研究課題
デンドリマー型エイズワクチンとワクチンモデルの合成を行った。2種類の糖鎖結合様式を取る糖鎖-ポリリジンデンドリマーを作った。第1は、還元末端が外側を向いて結合しているセロビオース-ポリリジンデンドリマー第3世代(G3)を、約9段階の反応を経て初めて合成することに成功した。MALDI-TOF-MSスペクトルで調べた分子量は4190で、8個のセロビオースが結合していた。この還元末端を利用して、還元アミノ化反応でトリペプチドおよびエイズウイルスの部分ペプチドである環状ペプチドシーケンスを結合させた。デンドリマー当り前者は2個結合したが、後者は不溶性になった。第2は、ラクトースが非還元末端を外側に結合した半球状ラクトース-ポリリジンデンドリマーG3を合成した。ラクトース残基に含まれる反応性の高い水酸基と、サクシニル-Ala-Pro-Ala-pNAトリペプチドの末端カルボキシル基を縮合によりエステル形成させ、ワクチンモデルを作った。これにより、糖鎖-ポリリジンとペプチドシーケンスを結合させる新たな反応形式を見いだした。第3の糖鎖-ポリリジンデンドリマーとして、マルトースの非還元末端が外側を向いた、半球状マルトース-ポリリジンデンドリマーG3を作った。2.9-7.7個のトリペプチドSuccinyl-Ala-Pro-Ala-Pnaを半球状マルトース-ポリリジンデンドリマーとアミド結合によって結合させた、トリペプチド-マルトース-ポリリジンデンドリマーを作った。さらに、球状マルトース-プロリン-ポリリジンデンドリマーG3も合成した。エイズウイルスの環状部分ペプチドシーケンスをデンドリマーに結合させる反応は不成功であった。最後に、球状形態を取る、β-グルコシダーゼ酵素を表面に持つ組換え酵母を利用して、木材セルロースの酸加水分解物を発酵してエタノールを合成することに成功した。
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Applied Biochemistry and Biotechnology April issue(In press)
和洋女子大学紀要 45
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