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2005 年度 実績報告書

シリコンカーバイドのエピ膜上に形成される表面欠陥の起源の解明とその除去方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16560009
研究機関徳島大学

研究代表者

岡田 達也  徳島大学, 工学部, 助教授 (20281165)

キーワード4H-SiC / ホモエピタキシャル成長 / 表面欠陥 / 透過電子顕微鏡(TEM)
研究概要

4H-SiCは,従来から用いられているシリコンベースの素子に比べて,大電流,高電圧に対応できる,いわゆるパワーデバイスへの応用が期待されている材料である.高品質なデバイスを安定的に工業生産するには,デバイス作製に至るまでの各プロセス,例えば大面積ウエハの作製,高品質エピ膜の育成などの技術水準を上げていくことが重要である.ところが,現状においては,エピ膜の成長時に表面欠陥が導入されることがあり,表面欠陥に伴う結晶欠陥(3C構造などの多形や積層欠陥,転位)がデバイスの性能を著しく低下させることが問題になっている.
今年度においては昨年度に引き続き,基板結晶とエピ膜の界面に存在する表面欠陥の起源を解明することを目指した.昨年度と同様に,エピ膜の大部分をプラズマエッチングにより除去してから,エピ結晶を基板側から薄片化して透過電子顕微鏡(TEM)観察することにより,基板/エピ膜界面に存在する表面欠陥の起源を平面TEM法によって解析した.
基板/エピ膜界面においては,表面欠陥の起源は直径0.1μm程度の粒子が何個か集合した微細な異物であった.制限視野回折,エネルギー分散X線分光測定,マイクロラマン測定をその粒子に対して行った結果,それらは正方晶ないしは斜方晶のジルコニア(ZrO_2)であることを同定した.ジルコニアを含む物質はSiCの結晶成長およびエピ膜成長のプロセスに直接的に用いられることはないので,この異物粒子がどの様なプロセスにおいて混入したのは確定できていないが,おそらくは,やや老朽化したエピ膜成長炉の断熱材から混入した可能性が高いと思われる.
研究成果は,2005年9月に米国ピッツバーグにおいて開催された国際会議において2件発表した.これらのプロシーディングス論文も今年5月にMaterials Science Forum誌に掲載される予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Deep-ultraviolet micro-Raman investigation of surface defects in a 4H-SiC homoepitaxially grown film2005

    • 著者名/発表者名
      T.Tomita
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters Vol.87 No.24

      ページ: 241906-1

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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