研究課題
本研究は、これまでの成果を活かし非加熱エピタキシャル成長や原子層成長、ドーピング、エッチングなどを実施することにより、シンクロトロン光を用いた加工技術を研究し、最適加工プロセス条件を決定すると共に、この過程で見出される特異現象を積極的に利用して量子井戸・超格子構造の形成や周期的ドット構造の加工(直接成長やエッチング)など、シンクロトロン光利用によるナノ構造加工に関する基盤技術の開発研究を行うことにある。このため、初年度にあたる本年度は、佐賀県立九州シンクロトロン光研究センターの材料加工専用ビームライン(平成17年度中頃より本格運転開始予定)を整備すると共に、そこでの本格的な研究推進のための準備として分子科学研究所UVSOR施設の白色ラインにて半導体材料(ZnTe)のエッチングに関する研究を進めてきた。具体的には、我々の研究グループが提案した材料加工専用ビームライン構築のための装置の仕様、機種選定、納入装置の確認などを行い、順次所定の場所に装置を配置し整備を進めてきた。UVSOR施設での実験では、Arガス、HBrガスおよびH_2ガスなどを用いてシンクロトロン光による半導体材料のエッチング手法の開発を行ない、エッチング速度、エッチング形状(エッチングによる切れ具合)、フォトルミネッセンス測定などによるダメージ特性などとエッチングガス、エッチング条件(雰囲気圧力、シンクロトロン照射量、バイアス電圧など)との関係を明らかにし、効果的に働く適切なエッチングガス、エッチング条件を決定した。更に、白色光にてエッチングに関するこれら基礎特性と波長選択用カットフィルターを挿入した実験との対比により、エッチングがシンクロトロン光特有の極端紫外光によるものであることを明らかにした。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
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