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2006 年度 実績報告書

超伝導揺らぎスペクトロスコピーに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16560019
研究機関小山工業高等専門学校

研究代表者

森 夏樹  小山工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (60149911)

キーワード超伝導揺らぎ / 高温超伝導 / 短波長揺らぎ / 交流帯磁率 / 不純物効果 / スペクトロスコピー
研究概要

本年は研究の最終年度であることから、これまでの研究内容をまとめることと補足実験・解析を行うことを中心に進め、更に一部新しい研究に取り組んだ。論文としてまとめた研究成果は、昨年度に口頭発表した内容を発展させた、現象論的なAslamazov-Larkin(AL)理論におけるc軸方向揺らぎ伝導率(c軸σ')の波数cutoff効果と、Prをdopeした場合のYBCO多結晶での面内σ'解析に対して重要なpercolation現象についてである。
補足研究としては、まず実験として、昨年度の最適酸素量を有するLaBaCaCu_3O_<7-y>(LBCCO)系における面内σ'について詳しい実験および理論解析により、強い2次元伝導性が確認された。一方、交流帯磁率の揺らぎ現象の解析からは、3次元性が支配的であり伝導率の結果とは一致しない結果となった。更に、この物質に非磁性不純物の亜鉛(Zn)を添加した場合、Tc減少の度合いがYBCOより強いことを明らかにした。次に理論面では、c軸σ'についての微視的理論を用いたMaki-Thompson(MT)項とDensity-of-state(DOS)項におけるcutoff効果を計算した結果、これらの項におけるcutoff効果はAL項と異なる振舞いを示し、実験解結果を説明するために重要であることを指摘した。
新しい研究として、実験面ではBi_2Sr_2CaCu_2O_8(Bi2212)単結晶においてCaをYで置換しcarrier密度を制御した場合のσ'解析を行い、under-dopeに加えover-dope領域でも伝導の異方性が強まることを見いだした。理論面では2次元と3次元をカバーする超伝導厚膜におけるσ'のcutoff効果を考慮した式を導き、酸素量を制御したYBCOの実験結果をよく説明出来ることを示した。
以上の研究結果を含め、これまで得られた揺らぎ伝導率解析結果を総合して、系の特性評価法としての揺らぎ伝導率spectroscopyの有効性について論じている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 高温超伝導におけるc軸方向電気伝導率に対する短波長揺らぎ伝導率の効果2007

    • 著者名/発表者名
      米澤峻光, 今成一雄, 森夏樹
    • 雑誌名

      電気学会東京支部栃木支所究発表会資料(ETT-06)

      ページ: 12-15

  • [雑誌論文] 超伝導揺らぎ領域における多結晶LaBaCaCu_3O_<7-5>系の特性評価2007

    • 著者名/発表者名
      箕輪亮平, 森夏樹
    • 雑誌名

      電気学会東京支部栃木支所究発表会資料(ETT-06)

      ページ: 16-19

  • [雑誌論文] Short-wavelength fluctuation effect on the c-axis paraconductivity within the Ginzburg-Landau theory2006

    • 著者名/発表者名
      N.Mori
    • 雑誌名

      Physica C 445-448

      ページ: 154-157

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] A comparative study of thermoelectric properties in (Pr,Y)BaCu_3O_7 and PrBaCu_3O_7-Ag percolative systems.2006

    • 著者名/発表者名
      N.Mori, H.Okano, A.Furuya
    • 雑誌名

      Physica Status Solidi (a) 203

      ページ: 2828-2831

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 高温超伝導揺らぎ伝導率の次元交差に関する一考察2006

    • 著者名/発表者名
      森夏樹
    • 雑誌名

      第67回応用物理学会学術講会講演予稿集 1

      ページ: 246

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Fluctuation conductivity analysis for Bi_2Sr_2(Ca_1-xY_x)Cu_2O_8+δ single crystals in both overdoped and underdoped regimes.2006

    • 著者名/発表者名
      N.Mori, T.Aoki, Y.Oikawa, C.Kim, T.Tamura, H.Ozaki
    • 雑誌名

      Abstracts of 19th International Symposium on Superconductivity 1

      ページ: 176

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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