研究課題
基盤研究(C)
近年、生体計測や産業計測の分野において、in vivoやin lineでの分光偏光計測が強く求められている。たとえば、生体計測の分野では、心筋細胞、網膜、ガン細胞などに特有の偏光特性があることが発見されており、それぞれ、狭心症、緑内障、ガンなどの早期診断に役立つことが期待されている。一方、産業計測でのin lineでの偏光モニタリングの応用例としては、分光エリプソメトリによる薄膜のオンライン測定や、光通信での偏波モード分散のモニタリングおよびその補償などがあげられる。本研究では、これらのような用途での利用をめざして、超小型のセンサヘッドを持つ分光偏光計を試作した。このために、先に筆者らが発明したチャネルド分光偏光計測法を用いた。この方法は、既存の様々な偏光計測法とは異なり、機械的ないし能動的な偏光制御素子が一切不要であり、さらに、一回のスペクトル測定で偏光状態の波長分布に関する全てのパラメータが決定できるという特徴を有している。この原理に基づいて本研究では、構成要素を吟味して、超小型のセンサヘッドを実現した。本研究の第1段階では、超小型センサヘッド製作の準備段階として、スケールアップモデルの試作と評価を行った。このモデルでの知見を元に、超小型センサヘッドのパラメータを決定した。第2段階では、実際に超小型センサヘッドの試作を行った。試作されたセンサヘッドは、鉛筆サイズの小さな断面をもつにもかかわらず、分光偏光計として十分な感度を持っている。第3段階では、このセンサヘッドの性能をより向上させるため、残余誤差の原因を探るとともに、それらの低減を図った。最終的な性能、特に安定度や精度は、現用の大型な分光偏光計と比して遜色の無いものとなった。
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Optics Express Vol. 15,No. 6
ページ: 3093-3109
Optics Express Vol. 15, No.6
Optics Letters Vol. 31,No. 22
ページ: 3279-3281
Optics Letters Vol. 31, No. 22