研究課題
1 高Qマイクロキャビティの作成:16年度に準備した公称反射率99.99%以上のミラー一組に加え、さらに一組を購入し、各々の一方に210nmのTiスペーサーを蒸着したものを、二個のマイクロキャビティに挿入し、Rhodamine6G色素のエタノール溶液を一方は濃度5×10^<-3>mol/L、他方は5×10^<-4>mol/Lとして封入した。2 Rhodamine6G色素封入高Qマイクロキャビティの発光特性の測定:上記二個のマイクロキャビティを波長0.532μm、パルス幅0.5ns、繰り返し10kHzのYAGSHレーザーで励起し、先ず、蛍光波長570nmに垂直方向で共鳴するミラー上の位置を、蛍光の指向性から定めた。次に励起光強度に対する出力蛍光強度を測定し、単一光子発生に必要な励起強度を定めた。マイクロキャビティ・レーザーとしての性能は、濃度5×10^<-3>mol/Lのものが5×10^<-4>mol/Lのものの約10倍の出力、後者は同濃度で反射率99.5%の反射鏡を用いた場合の約10倍の出力を与えた。3 マッハ・ツェンダー干渉計の0点調整:反射率99.99%以上および反射率99.5%の反射鏡を用いた場合の蛍光光子のコヒーレンス長は、数cmおよび0.1mm程度と予想されるので、本干渉計をコヒーレンス長測定に用いるには、16年度に作成したアーム長約50cmの干渉計において、両アーム長を0.1mm以下の精度で光路差0とする必要がある。そのためコヒーレンス長の短い変調半導体レーザー光により0点調整を行った。その後高Qマイクロキャビティからの蛍光を干渉計に導入し、コヒーレンス長測定の段階に入った。4 蛍光光子の光子統計生成モデルの解析:16年に引き続き実験条件に対応する光励起系の理論モデルにおいて、種々のポアソン的要素特性を引き起こす源を考慮して、単一光子状態発生の要件を求め、結果をJpn.J.Appl.Phys.に発表した。条件の要点は、発光効率と光波結合率の高さである。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
Journal of Modern Optics vol.53
ページ: 835-855
Jpn.J.Appl.Phys. pt.2, vol.45
ページ: 1884-186