研究課題
基盤研究(C)
波長425nm、パルス幅1nsの色素レーザパルスを励起源に用いて、Ce添加カルシウムチオガレート(Ce : CaGa_2S_4)結晶の発光強度の励起光強度依存性を調べたところ、発光強度の飽和が観測された。レーザ上準位(励起状態)から更に上の状態への励起光吸収遷移による励起状態吸収(ESA)を考慮した5準位モデルを用いて解析し、励起状態吸収断面積σが1×10^<-16>cm^2程度であることが分かった。基底状態から励起中間状態への励起光の吸収断面積が2×10^<-18>cm^2程度であることと比べると、この励起状態吸収断面積は非常に大きい値であり、Ce添加カルシウムチオガレート結晶をレーザ媒質へ応用する際の大きい問題点になることが分かった。次に、波長425nm、パルスエネルギー50μJのナノ秒色素レーザ1を励起光に、460〜600nm波長可変、5μJのナノ秒色素レーザ2を検索光とするポンプ-プローブ分光を行ない、利得の有無を調べた。その結果、負の利得(損失)が観測され、検索光波長域の励起状態吸収断面積(8×10^<-17>cm^2)が誘導放出断面積(6×10^<-18>cm^2)より1桁程度大きいことが分かった。ポンプ光とプローブ光の時間間隔を変えて、損失の時間特性を調べたところ、18nsの減衰時定数を持っていた。この値は励起状態の寿命(36ns)となるべきであるが、実験結果はその半分となった。この原因は未だ不明である。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
Japanese Journal of Applied Physics 44・1B
ページ: 729
第66回応用物理学会学術講演会講演予稿集 66・3
ページ: 1273
Japanese Journal of Applied Physics 44-1B
Extended Abstracts (The 66th Autumn Meeting, 2005) ; The Japan Society of Applied Physics No.3