研究課題
基盤研究(C)
銀塩感光材料を用いて、高エネルギー荷電粒子の検出と弁別を試みた。荷電粒子の弁別には古くから銀塩感光材料が用いられてきているが、銀塩感光材料そのものとその現像処理法との改良により、放射線検出、特に高エネルギー荷電粒子の飛跡検出と、そこからの精細な粒子弁別の改良を試み、(1);カラー現像法を用いた特性の異なる放射線の色分け検出、(2);金沈着現像法を用いた精細飛跡検出、(3);プラスチック飛跡検出器CR-39とのハイブリッド飛跡検出システムの構築、の3つの方法を試し、次のような成果が得られた。(1);サイズと感度の特性の異なる写真乳剤を、異なる発色をするように多層に塗布したフィルムで、種類・特性の異なる放射線を、異なる色で発色させて表示することにより、1枚のフィルム上で色の違いとして検出することができた。(2);金沈着現像法を飛跡検出に適用することにより、より精細な飛跡像が得られた。グレインデンシティ測定に適用したところ、従来の現像法と比べて測定精度が向上した。また有害な廃液の排出が大きく抑えられた。さらに、金沈着現像法の改良を行い、金微粒子の調製条件を解明した。高解豫度像が得られることからホログラム記録にも可能であることが示された。(3);ハイブリッド検出システムを構築して、核破砕反応の解析を試みた。重粒子線ガン治療においては核破砕反応による被爆量の測定が必須であり、そのためには、破砕片を個々に検出して、同定する検出器が必要である。CR-39と銀塩感光材料の長所を活かすことにより、個々の破砕片の検出・同定が可能なことが示された。
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すべて 雑誌論文 (8件)
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