研究概要 |
本年度は、まず加速度センサとして使用される単結晶シリコン構造体の各部寸法値を明らかにするため、約4×5×0.5mm^3なる体積及び周波数変化率(感度)Δf/f_0≒4,600ppm/Gを目標にして、有限要素法解析による設計を行った。その結果、以下のことが明らかにされた。 1.加速度センサに使用される力センサである横振動子については、板厚10μmで全長2,668μmのものが両端での最大変位比がu_z/u_<z0>≒10^<-4>〜10^<-5>と極小になることから、センサとして利用可能であることが分かった。 2.この横振動子に付加する質量としては、その板厚を510μmとしたとき3,670ppm/Gなる感度が実現できることが分かった。 3.また、加速度センサに使用される支持棒として、直線支持棒を利用した場合には要求感度が満足されず、板厚510μmの支持棒を折り曲げて支持による影響を低減させた場合には要求感度が実現されることが分かった。 4.加速度の検出軸であるx軸方向を除いたyやz軸方向からの加速度の影響は、z軸方向がx軸方向の感度に対して0.14%程度と小さく、y軸方向はさらに3桁小さいことが明らかになった。 5.質量及び支持棒の板厚を等しく510μmとした加速度センサを試作し、感度が設計値とほぼ一致することが分かった。 以上の様に、今年度は加速度センサの単結晶シリコン構造体部分に対する設計はほぼ終了し、その妥当性も一応実験的に検証できたものと考えている。次年度は、このセンサ構造体を圧電に駆動させた場合の有限要素解析を行い、試作センサの諸特性と比較検討する予定である。
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