研究課題
基盤研究(C)
横振動子の軸力による共振周波数変化を利用した新しい単結晶シリコン加速度センサを提案し、1軸加速度センサとしての有限要素法による設計並びにその試作検討を行い、十分実用に供し得ることを明らかにした。本センサは、横振動子の一端を固定し他端に質量を付加して、これを支持棒を介して支持枠に固定させた極めて簡素な構造を有しており、マスプロ化が可能で安価な高感度センサに成りうる。以下に、得られた結果を要約する。1.力センサとして使用する圧電型横振動子について(1)圧電型横振動子は、シリコンアーム上にAg下部電極膜、PZT圧電膜及びAu上部電極膜を構成したサンドウィッチ構造を有する。(2)Au上部電極は中央アーム両端部近傍の2カ所に分割され、一方は駆動用、他方はモニター用として使用され、自励発振器構成が実現されている.(3)振動子を高効率駆動するためには、中央アームの歪分布がその中央部と両端部では正負異なることを考慮して、Au上部電極長は何れもアーム全長の20%程度に選定する必要がある。(4)振動子の入力インピーダンスを有限要素法解析して等価回路定数を算出したが、実験値とは異なる結果が得られため、今後さらに詳細な検討が必要と考えられる。2.加速度センサとしての諸特性について(1)本加速度センサは静的加速度にも応答する。(2)センサのz軸回りの回転に対して、y軸方向のセンサ感度は8字特性を有する。(3)センサのx軸回りの回転に対しても8字特性を有するため、α_z=-1G(G=9.8m/sec^2)一定印加の重力場では傾斜角センサとしても利用可能である。(4)試作加速度センサの素子単体の体積は、約4×4.8×0.5mm^3である。(5)試作センサの感度は、ほぼ4,000ppm/Gである。本研究で検討した加速度センサは、単結晶シリコンに限らず、圧電単結晶を利用してももちろん構成できるもので、さらに温度特性が良好で高効率駆動の可能なセンサに成り得ると考えられる。また、本センサの多軸化や複合化についても推進すべき課題と言える。
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すべて 雑誌論文 (16件)
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