研究課題
東北大共同研究利用施設として活用した衝撃圧縮装置により、2-5GPa程度の超高圧による衝撃圧縮で得られた試料は、一個100mg程度である。衝撃後、転移温度Tcは、衝撃なしと比べて高くなっている。衝撃圧縮を施した試料を焼成、加工して微粒化をおこなう。本申請の目的である厚膜磁気センサとしての試料としては、シンタリングプロセスをおこない、シンタリングプロセスなどを確立しながら、磁気感度を測定し、高感度の厚膜磁気センサとしての特性を得ることができた。衝撃圧縮用試料は高温超伝導体粒子を油圧プレス機により、直径10mm、厚さ1mmのペレット状にした。銅製のターゲットに封入し、衝撃銃による衝撃圧縮後(約4GPa)、焼成を行った。焼成はクウェンチングプロセス(QP)をおこなってから、シンタリングプロセス(SP)を実施した。クウェンチングプロセスは急冷により非結晶化し、その後のシンタリングプロセスで超伝導相構成を容易にするためのプロセスである。これらのプロセスでさらに試料の超伝導特性を改善することが可能である。センサとして応用した試料は短冊状(幅3.7mm、長さ9.5mm、厚さ700μm)に加工してその磁気感度等を測定した。衝撃後の結晶粒の大きさが10-20μmまで大きく育成されていることが、申請で購入した画像解析装置で確認している。製作した試料は77.4Kにおいて35A/cm^2以上の電流密度の電流を流し、さらに一様なバイアス磁場(40x10^<-4>T)を印加すると抵抗R_<ms>(B_<ex>)が発生し、磁気センサとしての応用が注目される。この磁場範囲(0Tから50×10^<-4>T)においてヒステリシス現象の発生は一切見られなかった。バイアス磁場は、ヘルムホルツコイルを用いて、センサの表面に対して垂直に印加した。センサの磁気感度は約13%/(10^<-4>T)という非常に高い磁気感度を示した。すなわち、巨大磁気抵抗(GMR)センサの約13倍の感度を持つセンサの製作に成功した。以上の結果から、高感度磁気センサを製作するための重要な評価の基準を確立できたと考えられる。
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2006年(平成18年)春季 第53回応用物理学関係連合講演会予稿集 No.1
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EUCAS '05 7th European Conference on applied Superconductivity