研究概要 |
本研究では、セキュリティポリシーの適切な実施を支える技術の一つとして、電子透かしやステガノグラフィや通信への応用を目的とした、系列や配列の生成方法及び系列応用方法の検討を行っている 本研究では、主に以下の系列及び配列を研究(設計・開発)対象としている。 1)自己相関関数が零となる多値1次元信号(疑似白色雑音系列) 2)自己相関関数が零となる多値2次元信号(疑似白色雑音配列) 3)自己相関関数と相互相関関数がある位相差範囲で零となる2値(±)の1次元信号(2値零相関系列) 4)自己相関関数と相互相関関数がある位相差範囲で零となる2値(±)の2次元信号(2値零相関配列) 5)自己相関関数と相互相関関数がある位相差範囲で零となる3値(±,0)の1次元信号(3値零相関系列) 6)自己相関関数と相互相関関数がある位相差範囲で零となる3値(±,0)の2次元信号(3値零相関配列) 平成16年度には、以下の成果をあげた。 (i)2値零相関範囲系列と同様に、3値ゼロ相関範囲系列について、単一のアダマール行列ではなく、2つのアダマール行列から生成する方法を開発し、相関関数特性を向上させた。 (ii)2値零相関系列の零相関範囲外の相関関数特性は、実システムの応用上、非常に重要である。そこで、2値零相関系列の零相関範囲外の相関関数の上界値の詳細な理論的評価を行った。 (iii)3値零相関系列について、自己相関関数の零相関範囲を従来方法のほぼ倍に広げる方法を考案した。 (iv)従来方法の疑似白色雑音系列の長さは偶数$2n^2または、4n^2(nは任意の自然数)の長さをもつものに限られていたが、奇数(2n-1)(4n+1)(nは任意の自然数)の長さを持つ疑似白色雑音系列の構成的生成方法を考案した。 (vi)recurrence sequenceから零相関範囲系列を生成する方法を考案した。
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