研究概要 |
境界型メッシュレス解法は,非均質材料や非線形材料にも適用できる新しい解析技術である.等方性材料では,境界に節点を配置するだけで処理できるが,非均質材料や非線形材料では領域積分が必然的に現れる.この領域積分を境界積分に変換するには,これまで科研費の研究課題で申請者が取り組んできた知見が活用できる.すなわち、二重相反法(Dual Reciprocity Method : DRM)の考えを用いれば,領域積分のメッシュレス評価が可能である.本研究では,連続体力学の考えで材料特性を把握して導出された一連の境界値問題に対して,新しい解析法を開発するとともに,材料特性評価などの関連する逆問題に応用することを目的にしている. 前年度の研究成果を受けて,本年度は,ナノコンポジット特にCNT(カーボンナノチューブ)コンポジットの材料特性,特に熱伝導特性について幅広く研究した.大規模計算を行うために,領域分割解法が出来るように解析プログラムを改善した.また,それを用いて具体的な例題解析を行い,実用解析への可能性を実証した,さらに,本年は最終年度なので,開発した解析プログラムを応用して材料特性同定や複合材料の最適組成などの逆問題の解析を行った. 研究協力者であるVladimir Sladek教授とは主として電子メールによる研究打合せを行いながら共同研究を続けた.得られた成果を国際学術誌に投稿して掲載された.本年度は,インドからこの分野の研究に造詣が深い研究者Krishna M.Singh助教授を招待し,高度な専門知識の提供を受けて研究をさらに推進した.研究成果は2つの論文にまとめて投稿中である.
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