研究概要 |
現在,都市ゴミ焼却施設や産業廃棄物焼却施設から排出される排ガスをきれいにするためにバグフィルターといわれる繊維材料で構成されたフィルターが多く使用されている。しかし,長期間の使用により損傷し,有毒な気体が外部へ流れ周辺地域の環境を汚染する問題が発生している. 本年度の研究では、学術的な観点から,提案した繊維と繊維構造体のドライサンド・エロージョン評価方法と試作した高温環境での測定装置を用いて,高温環境における各種繊維のドライサンド・エロージョン特性を測定し,高温環境における摩耗のメカニズムを解明することを試みた.また,ハイブリット構造の繊維強化複合材料のドライサンド・エロージョンの検討も行った. 1)都市ゴミ焼却施設では,ダイオキシンの発生を防止するために,190℃以下の環境で,バグフィルターを使用していることが調査で、分かった.190℃までの各種繊維のエロージョン特性を調べる必要がある. 2)現在のドライサンド・エロージョン評価と測定装置を改造し,300℃まで実験できる繊維材料の高温エロージョン評価装置を提案し試作した.テストの結果,安定的に測定でき,装置の有用性が確認できた. 3)高温における繊維のエロージョン特性は繊維により異なる.高分子繊維の場合は顕著で,室温のエロージョン特性とかなりの差がある. 4)繊維ドライサンド・エロージョン評価と測定装置を利用して,繊維強化複合材料のエロージョン特性を検討した.特にコストに魅力あるハイブリット構造の繊維強化複合材料について,複合則を提案し,実験で確認した.この則を利用して,ハイブリット構造の繊維強化複合材料のエロージョン特性を予測できることが分かった.
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