研究概要 |
現在,マイクロマシンや電子デバイス等の分野で細線や薄膜等の微小寸法材料の力学的挙動を調べる研究が活発に行われている.微小寸法材料の変形は,結晶粒界や結晶方位等に代表される材料内の微視組織に大きく影響され,その影響の大きさは,一般に,材料寸法が微視組織に対して相対的に小さくなればなるほど顕著となる.そこで,本研究では,顕微鏡のステージ上で熱応力を利用した金属薄膜の引張り試験を実施し,引張り塑性変形に伴う結晶粒の変形挙動をその場観察した.ここでは以下の項目について検討を行った. I.ポリカーボネートの熱膨張を利用した純チタン薄板試験片の引張り II.小型試験片用疲労試験機を用いた純チタンとポリカーボネートの引張り試験 III.ピエゾステージを用いた純チタン薄板試験片の引張り試験 上記Iでは,ポリカーボネート負荷板の熱膨張により,純チタン薄板の引張り試験が可能であることを確認するとともに,純チタンの塑性変形の様子や力学的特性について検討した.IIは,通常の小型試験片用の疲労試験機を用いて,純チタンとポリカーボネートの引張り試験を実施した結果を示しており,両材料の力学的特性を得るとともに,その結果を用いてIから得られた結果の検討を行った.最後のIIIでは,ピエゾステージを用いて純チタンの薄板試験片の引張りを顕微鏡のステージ上で実施し,引張り塑性変形挙動の観察を行った.また,得られた結果をIおよびIIから得られた結果と比較した.
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