研究概要 |
平成16年度は基本となる試験手法の確立を目指して,定常・非定常の負荷によって熱応力疲労損傷と熱衝撃疲労損傷の重畳試験が可能な実験環境の整備を行うとともに,基礎データの収集を行った.得られた研究成果は以下のようになっている. 1.多孔質セラミックスへの繰返し高温ガス吹き付け試験を実施し,材質の異なる複数の多孔質セラミックスおよび吹き付け回数(熱疲労回数)の違いによる劣化の程度を球押し込みでの残存破壊強度特性として比較するとともにその試験技術としての妥当性を検討した.この研究成果について国内学術会議で2件の発表を行った.また,現在の試験装置について燃焼温度の調整や高速に多サイクル数の疲労負荷を与えるための改良方法等,問題点の抽出を行った. 2.多孔質セラミックスの破壊特性については高温領域に限らず不明な点も多いため,基本データとするために室温での強度試験を実施して評価を行った.また過去に実施した試験データとの比較検討を行い,多孔質セラミックスの組織に起因する試験片寸法依存性や強度のばらつきについての研究成果として国内学術会議で2件,国際学術会議(ICF11,2005.3)において1件の報告を行った.成果の一部は日本ファインセラミックス協会・平成16年度「石油代替電源用新素材の試験・評価方法の標準化に関する調査研究」成果報告書に掲載の予定であり,残りについても近日中に学術雑誌に投稿の予定である.
|